BMWの新型EV『iX』、航続は600km…2021年内に発売

「xDrive50」はツインモーターで500hp

X5と同等サイズのクロスオーバーEV

前面空気抵抗を示すCd値は0.25

「BMWカーブド・ディスプレイ」

BMWの量産車初の六角形ステアリングホイール

BMW iX
BMW iX全 22 枚

BMWグループは3月17日、新型EVのBMW『iX』(BMW iX)を2021年内に発売すると発表した。まずは、「xDrive50」と「xDrive40」の2グレードが設定される。

BMWグループは2018年秋、米国で開催されたロサンゼルスモーターショー2018において、EVコンセプトカーのBMW『ヴィジョンiNEXT』を発表した。その市販版がiXとなり、2021年後半からドイツ・ディンゴルフィンク工場で生産を行う予定だ。

「xDrive50」はツインモーターで500hp

iXには、第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーが採用される。モーターは、フロントアクスルとリアアクスルに搭載された。xDrive50の場合、最大出力は500hpで、0~100km/h加速は5秒で駆け抜ける。xDrive40の場合、最大出力は300hpとなり、0~100km/h加速6秒の性能を発揮する。

バッテリーの蓄電容量は、xDrive50が100kWh、xDrive40が70kWh。1回の充電での航続(WLTPテストサイクル)は、xDrive50が最大約600km、xDrive40が最大約400kmとなる。

iXでは新しい充電技術により、高い充電出力でDC(直流)急速充電できる。xDrive50は最大出力200kW、xDrive40は最大出力150kWで急速充電できる。どちらのモデルも、40分以内にバッテリー容量の80%を充電することが可能だ。10分の急速充電で、xDrive50は120km走行分、xDrive40は90km走行分のバッテリー容量を充電できる。BMW iXBMW iX

X5と同等サイズのクロスオーバーEV

iXは、クロスオーバーEVで、BMWグループの新開発プラットフォームをベースにした最初のモデルとなる。BMW iXは、成功を収めている「スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)」コンセプトを、サステイナビリティやインテリアの広さなどに焦点を当てて、再定義した。全長と全幅はBMW 『X5』と同等で、全高はBMW 『X6』と同等、ホイールサイズはBMW 『X7』と同じとし、パワフルなプロポーションを構築した。

iXの外装は、キャラクターラインを減らし、ゆったりとした形状の表面によって、迫力のあるボディデザインを構成した。サイドウインドウはフレームレス。テールゲートには分割ジョイントがなく、リアの幅一杯に広がっている。

フロントには、垂直でほぼ全面的に囲い込まれたキドニーグリルを装着した。このグリル内には、センサー、カメラ、レーダーテクノロジーが組み込まれており、インテリジェンスパネルの役割を果たす。

前面空気抵抗を示すCd値は0.25

ヘッドライトは、BMWグループの歴代モデルで最もスリムで、フルLEDが標準となる。ハイビーム用マトリクス機能付きの「BMWレーザーライト」がオプションで選択できる。LEDテールライトもスリムなデザインとした。BMW iのブルーのアクセントが、アクセントとして配される。

アルミスペースフレーム構造とカーボンケージによるインテリジェントな軽量設計と、最適化されたエアロダイナミクスが、効率を高め航続を延ばすことを可能にした。前後とアンダーフロア、ホイールにターゲットを絞ったエアロダイナミクス対策により、前面空気抵抗を示すCd値は0.25を達成する。オプションで21インチまたは22インチの「エア・パフォーマンス・ホイール」が用意されている。BMW iXBMW iX

「BMWカーブド・ディスプレイ」

インテリアは、5名の乗員のための高級感を備え、ラウンジのようにリラックスできる、ゆったりとした空間が追求された。高品質素材にスリムなダッシュボード、ヘッドレストが一体化された新開発のシートを採用する。センターコンソールは、高品質家具のようなフォルムを目指した。センタートンネルを廃止して、レッグルームとストレージコンパートメント用のスペースを確保している。

「BMWカーブド・ディスプレイ」は、12.3インチのインフォメーションディスプレイと、1ピースでフレームレスガラス仕上げの14.9インチのコントロールディスプレイによって、フルデジタルスクリーンを構成する。標準装備の「2.5ゾーン・オートエアコン」は、デザインを新設計し、直感的に操作できるようにした。ダッシュボードの表面には、「BMWヘッドアップディスプレイ」のプロジェクターが組み込まれる。

センターコンソールは、ギア選択のためのロッカースイッチ、タッチコントローラー、フィーラーバーで分割された。車両機能を制御するアクティブ・ハプティック入力を備えた「イルミネーテッド・ガラス・エフェクト・コントロール・サーフェス」を導入する。

BMWの量産車初の六角形ステアリングホイール

iXは新技術ツールキットによって、自動運転やデジタルサービスの分野でのさらなる進歩を可能にした。データ処理のための高いレベルの演算能力や、非常にパワフルなセンサー、5G対応が最適化された自動運転や駐車機能のベースとなっている。

iXは、BMWグループで六角形のステアリングホイールを装備した初の量産車となる。サーキットにインスピレーションを受けた輪郭によって、アクセスのしやすさが向上し、インフォメーションディスプレイの視認性も引き上げられた。新設計のマルチファンクションボタンも採用されている。BMW iXBMW iX

《森脇稔》

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