多様化する自動車流通の最前線、パネルディスカッション…IAAE 2021

自動車販売の過渡期 -- 多様化する自動車流通の最前線
自動車販売の過渡期 -- 多様化する自動車流通の最前線全 10 枚

「第18回国際オートアフターマーケットEXPO2021」(IAAE 2021)が3月17~19日にオンラインで開催された。特にオンラインセミナーが充実しており、最終日の19日には、レスポンス編集人である三浦和也氏が司会を務めたパネルディスカッションが行われた。

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テーマは「自動車販売の過渡期 -- 多様化する自動車流通の最前線」で、出席者はカーリースやカーシェアリング事業を展開するIDOM CaaS Technology社長の山畑直樹氏、トヨタ自動車のサブスクリプション会社であるKINTO副社長執行役員の本條聡氏、損害保険ジャパン執行役員兼ビジネスデザイン戦略部長の中村愼一氏だ。

まず司会の三浦氏が、国内の自動車販売が高齢化の加速や人口の減少とともに減少し、自動車販売の形式も定額サービスのサブスクリプションなどの動きが出てきて、多様化してきていると指摘。それの動きについて3氏は次のように話す。

「免許の返納とか、都市部での利便性が上がったなどで、クルマの必要性がなくなって車の保有台数が減ってきていると思うが、地方においてはクルマの販売が減っているという感覚は、自社においてはなくて、出店すればするほど伸びている。ただ、所有から利用へと変化している気がする」(山畑氏)

「この1年を見ると、コロナの影響で、いままで車を持っていなかった方々が移動手段としてクルマがほしいというと思っている人が2~3割増えている。われわれとしては、いかに安全で快適に便利で楽しく移動していく手段を提供していくことが大事で、この提供の仕方が少しずつ変わっていくと見ている」(本條氏)

「クルマをリアルではなく、ネットで買いたいという人が結構出てきている。私が元いたパナソニックでは、2008年の家電のネット比率は大体8%ぐらいだったが、それが10年後には3割を超えた。商品によっては5割を超えている。PCにおいては、9割を超えているということで、クルマについてもこれからネットでの販売がどんどん増えていくと見ている」(中村氏)

このように、自動車販売の世界も多様化が着実に進んでいて、それに合わせていろいろなサービスを展開する必要があるというわけだ。例えば、損保ジャパンでは「Anyca(エニカ)」という、クルマを使わない間にシェアしたいオーナーと必要なときに好みのクルマを使いたいドライバーをマッチングするサービスを始めている。

中村氏によれば、これから自動運転がAIの進化によって加速度的に進んでいき、交通事故も劇的に減っていくので、損保会社としては今のうちに手を打っておく必要があり、モビリティに関する新事業を手がけておかなければならないという。

また、日本でクルマを借りてそれを転貸する動きも出てきているが、米国ではそれが当たり前になっているそうだ。「ウーバーなどの運転手は昔、自分で車をローンで買って他人に貸していたが、いまはゲットアラウンドでクルマを借りて、儲かる朝と夕方だけクルマを転貸している。日本でも『SOMPOで乗ーる』で契約して、エニカで貸すという人が増えてきている」と中村氏は説明する。

KINTOでは、年配者に最新の安全技術を搭載した車に乗ってもらいたいということで、免許返納時は中途解約無料ということを打ち出している。そこで、「最後の1台をKINTOで」と年配者にピーアールしているとのことだ。

「これからはお客を軸にバリューチェーンを考えていく必要があると思う。一人のお客にとって、カーシェアがいいときもあるし、クルマを購入したいときもあるし、またサブスクリプションがいいときもある。これからトヨタは小型モビリティなどあらゆる人の移動手段を提供していこうとしているので、いろいろな形のサービスを展開していく必要があると思う。KINTOについてもサービスの多様化をしていこうと考えている」と本條氏はこれからのモビリティサービスについて話す。

また、山畑氏は「クルマの所有ではなくて利用の仕方ということでチャレンジしていくなかで、より個人にフォーカスされたサービスを展開しようと考えている。例えば、離島でなかなかレンタカー会社が進出できない場所では、そこに住んでいる人にクルマを登録してもらって、旅行する人にシェアするなど、個人のニーズに合わせてドライバー起点でのサービスを目指していきたい」と今後の展開について話す。

そして、最後に司会の三浦氏が「いまのサービスの延長線上に、次世代のクルマだったり、次世代のサービスを顧客ベースでしっかりと築いていく必要がありそうだ」と締めくくった。

《山田清志》

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