【マツダ MX-30 新型試乗】“フレンチドア”って呼べばよかったのに…岩貞るみこ

マツダ MX-30
マツダ MX-30全 10 枚

観音開きのメリット、デメリット

評価の分かれる観音開きである。前後のドアを開ければ大きな間口が登場する一方、前のドアを開けないと後ろのドアが開かない。この特徴をデメリットととるかメリットととるかは、使う人次第である。

デメリットとしては、やはり面倒。後席に座ったときは、前席のドアを開けてもらわないと出られないということ。

マツダ MX-30マツダ MX-30
メリットは、上記とは逆に自由に出入りしてもらったら困るような、小さなお子さんを載せる場合。乗り降りは保護者が必ずアシストする幼児はもちろん、チャイルドシートに座らせるときも、大きく開く観音ドアは超便利だ。

さらにメリットでいうと、一人で使うときに後席にカバンやコートを載せて……という場面も、観音開きは使いやすい。シングル~幼児の子持ちくらいまでの世代には、使いこなすほどに使いやすく感じる機能だと思う。そういう世代に向けるなら、“観音開き”なんて使い古された呼び方じゃなく、“フレンチドア”って呼べばよかったのに。冷蔵庫では聞きなれた“フレンチドア”、クルマでも広めてほしかったな。

美意識の高い人に乗っていただきたい

マツダ MX-30マツダ MX-30
『MX-30』は、止まっている状態だとわかりにくいけれど、ドアはフレンチドアだし(意地になってこう書く)、インテリアが斬新な作りで、乗った人だけが感じられる特別感があふれている。コルク基調のセンターコンソール部分はその質感にわくわくするし、立体的なデザインもほかでは見ない作りである。

私が気に入っているのはステアリングのデザイン。センターから左右に細く伸びた部分を黒とシルバーのツートーンにすることで、ステアリング自体がすらりとしなやかに見えること。

実のところシルバーの部分にある操作スイッチは、私のドラポジだと全面的にテカっていてなんのスイッチかよくわからない。手をかざして少し暗くすると、陰影ができてなにがあるのかがわかる程度である。

マツダ MX-30マツダ MX-30
機能として、これでいいのか? 最初はそう感じたものの、時間がたつにつれこれが絶妙にいい具合だということに気づく。というのも、シルバー部分のスイッチは電話応答など、運転中はブラインドタッチで十分なものや使用頻度の低いものなので、いちいち見る必要がないのだ。

つまり、ステアリング上にあるスイッチが全部、「ここにある!」と主張しているわけではないので、必要なものだけが目立って見える。情報が埋もれないようにする工夫だともいえる。

ボディサイズはコンパクトで使いやすく、マイルドハイブリッドは、赤信号でエンジンストップしているときからの再始動がとても滑らか。このクルマ、美意識の高い人にぜひ乗っていただきたい。

マツダ MX-30マツダ MX-30

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  2. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  3. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  4. V8エンジン搭載のレクサスセダン『IS500』がクライマックス! 950万円の特別仕様を発売
  5. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る