BMW M2 CS「レーシング」が実戦へ… 入門レーシングカー

最大出力450hpのM2 CSがベース

参戦するレースに応じて最大出力は異なる

ZFザックス製のモータースポーツ向けダンパー

2021年は4つのレースでM2 CSレーシングを使用

BMW M2 CS レーシング
BMW M2 CS レーシング全 7 枚

BMWは3月23日、新たな入門レーシングカーの『M2 CSレーシング』(BMW M2 CS Racing)が3月27日、ドイツで実戦デビューすると発表した。

同車は、『M2 CS』をベースに開発されたレース専用車だ。M2 CSは、BMWのコンパクト2ドアクーペの『2シリーズ クーペ』の頂点に立つハイパフォーマンスモデル。「CS」は『M3セダン』や『M4クーペ』に用意されたことがあるが、『M2』への設定は初めて。さらなる軽量化と高出力化を図り、サーキットなどでのパフォーマンスを追求している。

最大出力450hpのM2 CSがベース

直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力450hp/6250rpm、最大トルク56.1kgm/2350~5500rpmを獲得する。このスペックは、『M2コンペティション』の最大出力410hp/5250~7000rpm、最大トルク56.1kgm/2350~5200rpmに対して、40hpの上乗せとなる。

BMW M2 CS レーシングBMW M2 CS レーシング

トランスミッションは、6速MTまたは7速Mダブルクラッチを組み合わせる。BMWによると、6速MTの設定は、CSモデル初という。M2 CSは、0~100km/h加速4.0~4.2秒、最高速250km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。オプションのMドライバーズパッケージでは、最高速が280km/h(リミッター作動)に到達する。M2コンペティションの0~100km/h加速4.2~4.4秒に対して、0~100km/h加速は0.2秒短縮されている。

参戦するレースに応じて最大出力は異なる

BMW M2 CS レーシングBMW M2 CS レーシング

このM2 CSをベースに開発されたレース専用車が、M2 CSレーシングだ。エンジンマネジメントシステムには、BMW 『M4 GT4』のエレクトロニクスを導入した。レギュレーションに応じて、さまざまなパフォーマンスレベルにプログラムすることができる。

直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンは、参戦するレースのレギュレーションに応じて、最大出力280~365hpを引き出す。その一方で、最大トルクは56.1kgmと、市販バージョンと同数値とした。

BMW M2 CS レーシングBMW M2 CS レーシング

7速デュアルクラッチトランスミッションには、専門のモータースポーツ向けソフトウェアが組み込まれる。排気システムは、レーシング触媒コンバーターを備えたモータースポーツ専用品。BMW モータースポーツは、パフォーマンスを市販車と同じ450hpに高めるアップグレードパッケージも用意している。

ABSやDSCなどは、モータースポーツ向けのチューニングを受けた。ドライブシャフトもモータースポーツ用で、冷却機能を備えた機械式LSDを標準装備する。市販車と同様に、ルーフはカーボンファイバー製とした。

BMW M2 CS レーシングBMW M2 CS レーシング

ZFザックス製のモータースポーツ向けダンパー

ブレーキは、フロントがアルコン製の6ピストンで、ブレーキディスクの直径は380mmとした。リアは4ピストンで、ブレーキディスクの直径は380mmだ。ツインフローエアによるブレーキ冷却システムが採用される。

BMW M2 CS レーシングBMW M2 CS レーシング

サスペンションは、フロントとリアともに、3段階の調整が可能なスタビライザー、ZFザックス製のモータースポーツ向けダンパーを装着する。リアアクスルのホイールベアリングは、モータースポーツ用に強化された。

エクステリアは、フロントリップスポイラー、角度調整式のモータースポーツ用リアウィング、エアジャッキシステム、ボンネットとトランクのクイックリリースロック、軽量化されたモータースポーツ向けワイヤーハーネスを採用する。

BMW M2 CS レーシングBMW M2 CS レーシング

インテリアには、バケットシート、6点式安全ハーネス、データロガーとカラーディスプレイを装備した。センターコンソールは、照光式スイッチパネル付き。BMWモータースポーツのステアリングホイールには、操作ボタンとロッカースイッチが付く。

2021年は4つのレースでM2 CSレーシングを使用

このM2 CSレーシングが3月27日、ドイツ・ニュルブルクリンクで開幕する「BMW M2 CSレーシングカップNLS」において、実戦デビューを果たす。BMW M2 CSレーシングカップNLSは2021年、全9戦が予定されている。

また、5月に開幕する「BMW M2 CSレーシングカップベネルクス」と「BMW M2 CSレーシングカップイタリア」でも、M2 CSレーシングが使用される。2021年、BMW M2 CSレーシングカップベネルクスは全5戦、BMW M2 CSレーシングカップイタリアは全6戦が計画されている。

さらに7月には、M2 CSレーシングを使用する「BMW M2カップ(DTM)」がドイツで開幕する。2021年は、ドイツ、オーストリア、オランダで全6戦が予定されている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 水平対向8気筒エンジン搭載バイクが登場…5月の二輪車まとめ
  2. デリカ『D:6』が登場⁉ 三菱 D:5 がフルモデルチェンジへ…5月の新型車スクープまとめ
  3. スズキ『カプチーノ』復活! 新型スポーツカー情報
  4. AT車も大幅出力アップ…ブリッツから『ジムニー』用・専用ECU付きボルトオンターボシステムが登場
  5. BMWが「iDrive」システムを改良…今夏から欧州で
  6. 日産、新型ミニバン『タウンスター・エバリア』を欧州で発表…5月の新型車まとめ
  7. ジープの新型EV『ワゴニアS』、オフロード仕様を提案…「トレイルホーク」発表
  8. [15秒でわかる]スバル『BRZ』販売終了…新型の行方は
  9. PIAAからヘッド&フォグ用LEDバルブ 6000K「超高輝度」シリーズ・5製品が登場
  10. スバル『BRZ』現行モデルが生産終了、新型登場かマイナーチェンジか
ランキングをもっと見る