ホンダは、新型ロードスポーツモデル『GB350』を4月22日に、『GB350S』を7月15日より発売する。
GB350の開発コンセプトは「日常から遠出まで~The Honda Basic Roadster」。日常的な扱いやすさはもとより、未体験の道や景色と出会うツーリングでの感動まで、ライダーの経験やスキルを問わず、「自由」であることの楽しさや豊かな体験を提供するモーターサイクルを目指し、車体、パワーユニットともに新設計した。
新設計のフレームは、最新のCAE解析と、ホンダ独自のシミュレーションにより、各入力に対する各部の変形過渡特性を総合的にコントロール。穏やかで快適なライディングフィールを追求している。フロントフォークは大型モデルと同等の大径インナーパイプを採用し、剛性を高めることで路面からの外力によるしなりを低減。リアサスペンションはダンパー内部に窒素ガスを加圧封入することで、応答性の高いダンピング性能を獲得している。
前後ブレーキには大径のディスクブレーキを採用するとともに、前後独立制御ABSを標準装備する。GB350はアルミGDC(重力金型鋳造)によるフロント19インチ、リア18インチホイールを採用。しなやかなフレームの特性に対し、ホイール細部の剛性バランスを最適化している。また、GB350Sではリアホイールを17インチに小径化し、積極的な走りに応じたグリップ特性と高い安定感を両立する、よりワイドなラジアルタイヤを採用している。
パワーユニットは、最高出力20ps、最大トルク29Nmを発生する空冷4ストロークOHC単気筒348ccエンジンを搭載。内径70mm・行程90.5mmのロングストロークをはじめとした各部の諸元設定、ワイドレシオのトランスミッションや、質量の大きなフライホイールの採用など、一回ごとの燃焼まで感じられるようなクリアな鼓動とともに、粘り強さを感じさせる特性を持たせている。
吸気経路は低速から力強いトルクを生み出せる管長の確保と、ストレート化による吸気抵抗低減を図り、低回転からの力強さと鼓動感あるクルージングの両立に寄与させている。マフラー内部の排気管長を後端部まで確保することで、低回転域でのトルクフルな走りに寄与させた上で、大径テールパイプの採用によるマフラー容量とのバランスの最適化を図り、力強いパルス感を創出。アシストスリッパークラッチを採用し、クラッチレバー操作荷重の軽減と、シフトダウン時の急激なエンジンブレーキによる不快なショックを緩和させている。
また、ライダーをサポートする電子制御技術として、ホンダ セレクタブル トルク コントロール(HSTC)を採用。路面状況に応じてエンジントルクを制御し、ライダーのスロットル操作に起因する後輪のスリップを緩和する。全灯火器には省電力で長寿命のLEDを採用している。
スタイリングは、フューエルタンクをはじめ、スチール製の前後フェンダーやサイドカバーなどの深く絞られた形状と、クランクケースカバーやシリンダーヘッドなどの高品位な造りがもたらす、落ち着きと抑揚が調和したトラディショナルな外観としている。
GB350Sは、よりワイドなリアタイヤを装着するとともに、バンク角をより深める形状のマフラー、軽量化に寄与するショートタイプの樹脂製前後フェンダー、シャープな面構成としたサイドカバーを採用。さらに、フロントフォークブーツを標準装備した他、ハンドル位置とメインステップ位置を変更するなど、より積極的な走りをイメージさせるスポーティなスタイルとしている。
カラーバリエーションはGB350がマットジーンズブルーメタリック、キャンディークロモスフィアレッド、マットパールモリオンブラックの3色を、GB350Sはパールディープマッドグレー、ガンメタルブラックメタリックの2色を設定。価格はGB350が55万円、GB350Sが59万4000円。