メルセデスベンツの新型EV『EQS』、充電を支援する最新コネクト採用

渋滞やエネルギー需要の変化を考慮してルートをクラウドで計算

充電ケーブルを差し込めば充電が始まり料金の決済も行う

病院の手術室と同等の空気品質を実現するHEPAフィルター

メルセデスベンツ EQS のプロトタイプ
メルセデスベンツ EQS のプロトタイプ全 9 枚

メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)は4月3日、4月15日にデジタルワールドプレミアする予定の新型EV、『EQS』(Mercedes-Benz EQS)に充電を支援する最新のコネクトシステムを採用すると発表した。

渋滞やエネルギー需要の変化を考慮してルートをクラウドで計算

EQSには、「エレクトリック・インテリジェンス」機能を備えたナビゲーションシステムが標準装備される。目的地までの最短ルートを計算。地形や天候などの要因を取り入れながら、シミュレーションした航続に基づいて、ルート途中での充電を計画してくれる。

ルートを決定する際、考慮されるのは、地形や気温、速度、冷暖房の需要、充電ステーションの気温、途中の交通状況、利用可能な充電ステーションの数と充電容量、支払い機能など。渋滞やエネルギー需要の変化に対応し、オンボードデータと組み合わせて、クラウドで計算を行う。また、計画ルートは個別に編集できる。目的地や充電ステーションの追加を設定することも可能だ。さまざまな要因に基づいて、充電ストップを含めて最速で最も便利なルートを計画するという。

EQSには、メルセデスベンツが自社開発したバッテリー管理ソフトウェアが搭載されており、無線(OTA)でのアップデートを可能にした。EQSのエネルギー管理は、ライフサイクル全体を通じて最新の状態に保たれる。

充電ケーブルを差し込めば充電が始まり料金の決済も行う

EQSには、充電を支援する「Mercedes me Charge」の「プラグ&チャージ」が利用できる。プラグ&チャージのおかげで、EQSを使用した充電プロセスは簡単になるという。新しい充電方法は、Mercedes me Chargeによって提供される。

充電ケーブルを差し込むと、自動的に充電が始まる。車両と充電ステーション間の通信は、充電ケーブルを介して直接行われる。ユーザーは充電ステーションに到着し、フラップを開き、コネクタを挿入する。すると、充電が開始され、充電料金の決済も行える。

また、EQSでは31か国の50万を超える充電ネットワークにおいて、グリーン電力を利用したグリーン充電が行える。グリーン充電は、水力や風力など、再生可能エネルギーによって発電された電気を利用して充電する。これにより、CO2フットプリントが削減されるという。

このグリーン充電は、ヨーロッパの急速充電ネットワークの「IONITY」などで利用可能になる。EQSを購入してから最初の3年間は、Mercedes me Chargeによるグリーン充電の基本料金は必要ない。グリーン充電は、車載の「MBUX(メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」や、スマートフォンにダウンロードした「Mercedes me」アプリを通じて利用できる。このアプリは、前回のアップデートで、多くの新しい機能を導入している。

Mercedes me Chargeは現在、世界最大の充電ネットワークのひとつとなっている。ヨーロッパの20万か所以上を含めて、世界31か国に50万拠点以上のACおよびDC充電ポイントを擁している。

病院の手術室と同等の空気品質を実現するHEPAフィルター

EQSのバッテリーは、持続可能性を引き上げた。コバルトの比率が10%に減少し、ニッケル、コバルト、マンガンを8:1:1の比率で使用している。

EQSの室内には、オプションでエアフィルターシステムが装着できる。この高性能のHEPAフィルターは、ボンネットの下に燃焼エンジンがないEVならではのスペースの一部を活用する。容積は約10リットル、サイズはA4ページおよそ4枚分で、室内で最高の空気品質を追求する。PM2.5レベルの細かいほこり、窒素酸化物、二酸化硫黄、不快な臭いをろ過することができる。

EQSは、HEPAフィルターを使用することで、病院の手術室と同等の空気品質を実現するという。システムの有効性は、「DIN EN1822」によって公式に認定されている。これは自動車部門では初めてという。

《森脇稔》

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