ヤマハにもあったスーパーチャージャー付き4気筒!「水上のモンスター」は病みつきの疾走感

スーパーチャージャー付き4気筒を搭載するヤマハ『GP1800R SVHO』に青木タカオが挑む
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スロットル全開など、瞬時でさえできるかどうか。ハンドルバーを握り、超弩級250馬力の凶暴なまでの加速にこらえる。

搭載される4気筒エンジンは排気量1812cc、なんとスーパーチャージャー付き。そんなバイクあったっけ……!? そう、バイクじゃない。バイクジャーナリストとして活躍中の青木タカオが乗るのは、ヤマハの最新マリンジェット『GP1800R SVHO』だ!

モーターサイクルとは別物の強力パワーユニット

ヤマハ GP1800R SVHOヤマハ GP1800R SVHO
「ヤマハボート教室」などで2日間あれば取得でき、意外と手軽な水上バイク(特殊小型船舶)の免許。筆者(青木タカオ)は4年前の夏に取得して以来、レンタルのマリンジェットで東京を水上散策するなど、やんわりと楽しんできたが、今度は嬉しいことにNEWモデル試乗のお誘いが。

聞けば、なんとスーパーチャージャー付き1.8リッターエンジンを積むモンスターマシン。浜松駅からクルマで約50分、ヤマハマリーナ浜名湖で実物を目の当たりにすると、全長3.58メートル、定員3名、その迫力に圧倒されるばかり。

ビビリつつ、ヤマハ開発チームに説明してもらうと、まずエンジンはバイク用とはまったくの別モノで、独自開発された専用設計のパワーユニットであることがわかる。

バイクジャーナリストとしては、ついつい「YZF-R1のテクノロジーが?」とか「スーパーチャージャーは次期VMAXに転用可能?」などと聞いてしまうが、水上を走るために特化されたテクノロジーの数々。どうやら的外れの質問ばかりのようだ。

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さすがはコーナリングのヤマハ!水上でも「曲がる」

「GP」とモデル名に付くことからも分かる通り、純粋に速さを求めるライダーたちのために生まれたハイエンドパフォーマンスモデルで、ハンドルバーもレーシングタイプ。体格に合わせて4段階にセットできる調整機構があり、シートも体重移動がしやすく、跨りやすいスリムな形状。パームフィットする新レイアウトのスイッチ類や防水グローブボックスが採用され、アグレッシブなスポーツ走行を予感させるライディングポジションとなっている。

インストラクターとともに水上へ出ると、最初は慣熟走行、いわゆるウォーミングアップ。バイクのようにアクセルグリップをひねって加速するのではなく、右手人差し指のレバーでスロットルを操作する。

推進力はジェットポンプの噴流によって得られる。エンジンと連動してインペラが回転し、船底から水を吸い込み、その水を勢いよく後方に噴射するのだ。

ヤマハ GP1800R SVHOヤマハ GP1800R SVHO
ブレーキ装置はなく、スロットルレバーを放せば水の抵抗によって減速する。また、左手のRiDEレバーを握れば、リバースゲートがジェットノズルを覆って減速・後進。その際、噴流が横方向に噴出するよう設計されているので、推進力が左右にバランス良く分散し、減速時のノーズダイブの発生を抑制してくれる。減速や後進時も安定した姿勢を保ち、ビギナーも着岸しやすいのがありがたい。

広く安全な場所まで連れて行ってもらってから、いよいよスロットルをワイドオープン。すると、凄まじいまでのダッシュ力が味わえるではないか。水面を切り裂くダイナミックな走りで、加減速しているだけでもう楽しくて仕方がない。

それでいて、ハンドルを切って車体とともに身体をリーンさせれば、自在に旋回してくれる。開発スタッフによれば、「軽量レーシング」をコンセプトに掲げ、エンジンを強力にしつつもコーナリング性能を重視しているとのこと。さすがはコーナリングのヤマハ。水上でも曲がることに長けているのだ。

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走りをサポートする先進ステムも満載

ジェットノズルの角度(トリム)を上下に変化させ、艇体の姿勢保持に効果を発揮する電動トリムシステムも備わる。走行状態に合わせてトリム角度を自動最適化する「オート・トリム・システム」も搭載され、ビギナーにも嬉しい。

ON/OFFの選択はメーター内でき、作動させれば、加速時にトリムを自動的にシフトダウンし、バウの跳ね上がりを抑制。コーナリングの減速時にもバウダウンさせて、より鋭いコーナリングを実現してくれる。

クルーズアシストは、スロットル調整をせずに一定の回転数での走行をサポート。海のように広く感じた浜名湖で、ビギナーの自分はサポート船やインストラクターについて巡航するのも時間が経ってくると疲れてくる。巡航時にありがたい機能であることを実感した。

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ボタン操作でエンジン回転数を一定に設定することができるノーウェイクモードも、最徐行が必要なエリアを通過する際などに重宝。微妙なアクセルワークによる速度調節が軽減され、安定した低速走行をサポートしてくれる。

そして、4.3インチカラー液晶マルチファンクションメーターは、スピードやエンジン回転数、シフトポジションやトリムポジション、燃料計などあらゆる情報を見やすく表示。直感的に操作でき、それそれのサポート機能を設定できた。

モーターサイクルに負けない疾走感

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思い通りに曲がってくれるし、加速も強力。地上で乗るスポーツバイクのような爽快感、スポーティさ、操縦の奥深さに夢中となっていると、あっという間に時間が経っている。

それでも燃料タンク容量は70リットルと大きく、まだまだ遠くへ行けるではないか。自身のライディングの限界を押し上げる向上心も刺激され、病みつきになる楽しさ。あぁ、もっともっと乗っていたい!

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

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