リマックのEVハイパーカー、『C_Two』が加速テスト…量産車世界最速なるか

ポルシェが24%を出資するリマック

最高速412km/hを可能に

カーボン製モノコックで車両重量は1950kgに

メイト・リマックCEOが加速テスト

リマック C_Two の量産プロトタイプ車
リマック C_Two の量産プロトタイプ車全 8 枚

リマック・アウトモビリ(Rimac Automobili)は4月26日、2021年後半に生産開始予定のEVハイパーカーのリマック『C_Two』(Rimac C_Two)の加速テストの様子を収めた映像を公開した。

ポルシェが24%を出資するリマック

リマック・アウトモビリ社は2009年、クロアチアに設立された。リマック・アウトモビリ社の名を広めたのが、2011年に発表されたEVスーパーカーの『コンセプトワン』だ。コンセプトワンは、「世界初のEVスーパーカー」を掲げて登場した。2ドア、2シーターのスポーツカーデザインで、前後アクスルにそれぞれ2個ずつ、合計4個のモーターを搭載し、4輪を駆動する。

リマック・アウトモビリ社は2018年、ポルシェからの出資を受けた。ポルシェがリマック・アウトモビリ社の10%の株式を取得し、その後、出資比率を15.5%に引き上げた。リマック・アウトモビリ社は、高電圧バッテリー技術と電動パワートレインに関するノウハウを持っており、ポルシェは同社の技術を電動化の推進に役立てる方針。ポルシェはリマック・アウトモビリ社への出資比率を、現在の15%から24%に引き上げることを決めており、ポルシェは電動化への取り組みをさらに強化していく。

最高速412km/hを可能に

リマックC_Two には、4つの電気モーターを搭載する。4個のモーターは各車輪を駆動し、合計で最大出力1914hp、最大トルク234.5kgmを引き出す。強力なモーターは、0~96km/h加速2秒以下、0~300km/h加速11.6秒、最高速412km/hと、世界最高峰の性能を可能にしているという。リマック C_Two の量産プロトタイプ車リマック C_Two の量産プロトタイプ車

バッテリーは、蓄電容量が120kWhと大容量のリチウムマンガンニッケルだ。1回の充電での航続は、最大550km(WLTP計測)の性能を備える。充電は出力250kWの急速チャージャーを利用すれば、バッテリーの80%の容量をおよそ30分で充電可能にしている。

電子制御ダンパーを備えたダブルウィッシュボーンサスペンションを採用し、滑らかで快適な乗り心地を追求している。ブレーキは前後ともに6ピストンのキャリパーで、ブレーキローター径は前後ともに390mmとした。また、アクティブエアロシステムを採用した。前後のディフューザー、リアウィング、アンダーボディインレットなどにより、エアロダイナミクス性能を追求する。

カーボン製モノコックで車両重量は1950kgに

ボディサイズは、全長4750mm、全幅1986mm、全高1208mm、ホイールベース2745mm。車両重量は1950kg。カーボンファイバー製モノコックを採用する。自社設計によるフルカーボンファイバー製モノコックは、自動車メーカーで最大の単一カーボン構造とした。バッテリーやモーターなどの電動パワートレインは、このモノコックと一体設計されている。このモノコックは、ルーフを合わせても重量が200kg以下と軽い。モノコックとカーボンルーフは接合されており、車体の前部と後部は、アルミ製の衝撃吸収構造とした。リマック C_Two の量産プロトタイプ車リマック C_Two の量産プロトタイプ車

インテリアはハンドメイドで、つや消しのカーボンファイバートリムパネルが、ブルーレザーとのコントラストを強調する。ダッシュボード中央には、大型のディスプレイモニターを装備する。また、ドライバー正面のメーターもデジタル化されたフルデジタルコックピットになる。助手席前方にも、小型のディスプレイがレイアウトされている。

メイト・リマックCEOが加速テスト

リマック・アウトモビリは、このリマックC_Twoの加速テストの様子を収めた映像を公開した。リマック・アウトモビリのメイト・リマックCEOが、C_Twoのステアリングホイールを握り、クローズドコースにおいて、加速性能をテストしている。

果たして、映像のタイトルにあるように、C_Twoの加速性能は量産車世界最速となったのか?

《森脇稔》

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