ランボルギーニ伝説のスーパーカー、『ミウラSV』デビュー50周年

フェラーリに対抗するスーパーカーとして開発されたのがミウラ

ミウラSVは3.9リットルV型12気筒エンジンを385hpに強化

ヘッドライト周りの「アイラッシュまつげ」を廃止

最高速は290km/h以上

ランボルギーニ・ミウラ SV
ランボルギーニ・ミウラ SV全 18 枚

ランボルギーニのスーパーカー、『ミウラSV』(Lamborghini Miura SV)が2021年にデビュー50周年を迎えた。

フェラーリに対抗するスーパーカーとして開発されたのがミウラ

『ミウラ』は1966年3月、スイスで開催されたジュネーブモーターショーで発表された。1963年に創業したランボルギーニが、フェラーリに対抗するスーパーカーとして開発したのがミウラだった。ミウラは、マルチェロ・ガンディーニをチーフデザイナーとし、ベルトーネがデザインした流麗なボディを採用していた。

ミウラのミッドシップには、3.9リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載し、0~100km/h加速6.7秒、最高速280km/hの性能を発揮した。当時、世界最速の性能を誇ったミウラは、スーパーカーのセグメントで新たな基準を打ち立てたとされる。

当初の最大出力350hp仕様の「ミウラ」は、475台が生産された。その後、改良を続けたミウラは1968年11月、トリノモーターショーで「ミウラS」に進化した。最大出力370hpに増したエンジンを搭載。パワーウインドウを装備し、オプションとしてレザー内装やエアコンが選択できた。

ミウラSVは3.9リットルV型12気筒エンジンを385hpに強化

1971年3月、スイスで開催されたジュネーブモーターショーでは、最大出力385hpの「ミウラSV」に発展した。車名のミウラSVとは、ミウラSに「ヴェローチェ(超高速)」を意味する「V」を加えたものだ。

ミウラSVは、ワイドなリアフェンダーが特徴で、エンジンとギアボックスで、それぞれ独自の潤滑システムを搭載していた。エンジンは最大出力を385hp/7850rpmに高め、トルクの配分を40.7kgm/5750rpmに改良したことにより、運転性能を向上させた。ウェーバー製のトリプルバレルキャブレター「40IDL3C」のセッティングも変更された。エンジンとギアボックスで独立した潤滑システムが導入されたのは、ミウラSVの生産開始後だったが、外見上は分からないこの変更は、技術的には非常に重要な改良になったという。

ミウラSVは、他のミウラとは技術面でもスタイル面でも大きく異なっていた。3.9リットルの12気筒エンジンをリアミッドに横置きするというレイアウトは変わっていないが、ミウラSVでは補強された剛性の高いシャシー、アンカーポイントとアームが改良されたリアサスペンションシステム、約130mmのワイドトラックを採用した。フロントとリアのタイヤサイズも変更し、リアは7インチから9インチに、255幅のタイヤが装着された。デザインはよりスポーティに変わり、ゴールド仕上げのリアがオーナーから最も選ばれたという。

ヘッドライト周りの「アイラッシュまつげ」を廃止

技術的変更に伴い、エクステリアにも変更が必要となり、ミウラのオリジナルプロジェクトを担当したマルチェロ・ガンディー二がデザインを手がけた。ミウラSVのエクステリアの特徴としては、拡大されたリアフェンダー、デザインを一新したテールライト、ラジエーター用エアインテークが新設されたフロントボンネットが挙げられる。

最も重要な変更は、ヘッドライト周りの「アイラッシュまつげ」がなくなったことだ。この変更は技術的な理由ではなく、アイラッシュの組み立てと仕上げが非常に高度で時間を要する作業であると理解していたフェルッチオ・ランボルギーニが、ミウラの生産時間を短縮するために決定した。しかし、彼は自身のミウラSVにはヘッドライト周りのアイラッシュを残し、アイラッシュを採用した唯一のミウラSVになったというエピソードがある。

ミウラSVのインテリアは、レザーを多く採用し、クロームメッキを随所に施した。これにより、従来よりも高級感のあるモダンな仕上がりを追求していた。

最高速は290km/h以上

ミウラSVの公式な最高速は290km/h以上で、スタンディングスタートから1kmまでを24秒未満で走行した。これは当時としては記録的な性能だった。

ミウラSVは150台を生産し、1973年初めに生産を終了した。ただし、2年後の1975年、ウォルター・ウルフのために最後の1台が特別に製造されており、現在はサンタアガタ・ボロネーゼにあるランボルギーニミュージアム「MUDETEC」に収蔵されている。

ランボルギーニは、ミウラSVの生産終了でスピードとしなやかなラインが一世を風靡した時代が終わり、それは情熱と優れた技術的才能に恵まれたひと握りの若者たちが、現在でも最高に美しいと称える車を生み出した時代だった、としている。

《森脇稔》

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