自動車用ステアリングシステムの市場規模は、2020年の293億米ドルからCAGR4.7%で成長し、2025年には369億米ドルに達すると予測されてる。この市場の成長は、低燃費で快適な運転ができる自動車の需要の増加によってもたらされているという---。
グローバルインフォメーションは、市場調査レポート『自動車用ステアリングシステムの世界市場(~2025年):技術(HPS・EHPS・EPS)・EPSタイプ(R-EPS・C-EPS・P-EPS)・ピニオンタイプ(シングル・デュアル)・メカニズム(衝撃吸収型・衝撃耐久型)・コンポーネント(OE・アフターマーケット)・車両区分・地域別』(発行:MarketsandMarkets) の販売を4月22日より開始した。
自動車用ステアリングシステム市場は、主に低燃費で快適な走行を実現する自動車の需要が増加していることに牽引されている。ただしCOVID-19パンデミックで自動車の生産台数は減少し、自動車用ステアリングシステム市場にマイナスの影響を与えると予想されている。
レポートによると、市場において電動アシストステアリングシステムの需要が促進されているという。これは厳しい燃費基準が要因だ。各国当局はフリートレベルの規制を実施しており、自動車メーカーは、電動パワーステアリングのような低燃費のステアリング技術を増やすことを余儀なくされている。
ホンダ・クラリティPHEVのEPS電動アシストパワーステアリング(EPS)システムは、従来の油圧式ステアリングシステムに比べて重量が軽く、構造も簡単だ。米国エネルギー省(DOE)によると、EPSシステムは燃費を2~4%向上させ、燃料消費量を最大6%削減し、CO2排出量を8g/km減少できるという。EPSシステムは、エンジン稼働中に常に流体を送り出す油圧システムと異なり、車輪を回転させたときにのみ動力を使用する。その結果、燃費が向上する。
電動アシストパワーステアリングの普及率は、欧州地域が最も高く、次いで北米、アジア・オセアニア地域となっている。
日産アルティマはEPS搭載EPSをメカニズム別に分類すると、衝撃吸収型(コラプス) EPSの部門が最大の成長を示している。乗用車の販売台数の増加、主要事業者の新興経済諸国への拡大、技術の進歩などが成長を牽引している。また、地域別では、アジア太平洋地域が最大の成長を示す見通しだ。中国、日本、インドなどの国での自動車生産台数が増加しているからだ。