経団連の中西会長、道半ばで退任---後任に住友化学の十倉氏[新聞ウォッチ]

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「財界総理」とも呼ばれる経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)が6月1日付で辞任し、後任には審議員会副議長の十倉雅和会長(住友化学会長)が就任する。

経団連が発表したもので、リンパ腫を患って療養中の中西会長から「再々発の可能性が高まった」として辞任の意向が示されたため、理事会で十倉氏が新会長に選任されたという。

経団連会長が任期途中で辞任するのは極めて異例のことだが、中西氏は2018年に経団連会長に就任。翌19年には体調を崩して入院し、リンパ腫と診断された。療養後、2期目に入った昨夏には再発し、病状が悪化していたが、入院先の病院からテレワークで執務に当たっていた。

在任中、中西会長は就職活動の日程を定めた「就活ルール」を指針として示す慣行を取りやめたほか、経団連の執行部への女性経営者の登用拡大などにも取り組んできた。ただ、きょうの各紙にも「経団連改革道半ば」(読売)、「経団連問われる意義」(日経)などの見出しのように、急きょリリーフ登板する十倉氏に引き継がれる課題は山積している。

十倉氏は2011年から8年間、住友化学の社長を務め、19年に会長に就任。この間、構造改革に取り組むとともに液晶パネルに使われるフィルムやリチウムイオン電池の部材などの事業を拡大した。15から19年には経団連の副会長を務めた後、会長の諮問機関である審議員会副議長に就いた。

住友化学出身者が経団連会長に就くのは10~14年に務めた米倉弘昌氏以来となるが、かつては長谷川周重氏や土方武氏ら化学業界の重鎮が副会長を歴任するなどの名門企業。“軽”団連と揶揄されないためにも先輩たちの名に恥じないような組織の抜本的な改革を求めたいものである。

2021年5月11日付

●経団連新会長に十倉氏、住友化学会長、中西氏健康悪化、辞任へ(読売・1面)

●ANA年賞与ゼロ提示、労組に(読売・8面)

●日立製車両に亀裂、英で鉄道運行混乱(朝日・7面)

●パナ売上高7兆円割れ、25年ぶり、航空機向け苦戦(産経・10面)

●トヨタ×エネオス水素で協力(東京・7面)

●バッハ会長、来日延期、組織委宣言解除後に再調整(東京・25面)

●日本電産、EV生産20社連合(日経・14面)

●F1スペインGP決勝、ホンダ戦略負け(日経・37面)

《福田俊之》

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