【アプリリア RS660 新型試乗】数少ないミドルクラスのスーパースポーツ…丸山浩

アプリリア RS660
アプリリア RS660全 22 枚

今回試乗したのはアプリリア『RS660』。パラレルツインのミドルクラススポーツバイクでありながら、Vツインスポーツバイクのようなフィーリングを感じさせる一台だ。

アプリリアにはV4エンジンを搭載した『RSV4』というフラッグシップモデルがあり、そこで蓄積されたノウハウを今回のRS660に活かし、ミドルクラススポーツバイクに仕上げてきた。660ccというミドルクラスではあるが、やっぱりスーパースポーツ。そして尖ったデザインに腰高感のあるポジションでスーパースポーツバイクらしさがありつつも、その中身は意外とストリート寄りで非常に元気がある面白いバイクになっているようだ。

現在では数少ないミドルクラスツインのスポーツバイクがアプリリアから手に入るということで、さっそく試乗レポートをお届けしたい。

感想を一言で表すならば「これは面白い」

アプリリア RS660アプリリア RS660
まずはポジションから。シート高820mmで身長168cmの私では、やっと両足のつま先が地面に着くくらい。かなり腰高感がありサイドスタンドの寝た状態から車体を起こす際に抵抗感はあるが、一度車体を起こしてしまえば意外と沈み込みのある柔らかいサスペンションと183kgの軽い車重のおかげで取り回しに苦労することはなかった。前傾姿勢は国産スーパースポーツほどではないが、それなりにフロントタイヤに荷重を掛けられる前傾姿勢。ただし、ハンドルと体が近いため、Uターンで腕の自由度は失われていない。

さっそくアタックモードという一番パワフルなモードを使用して少し飛ばしてみた。感想を一言で表すならば「これは面白い」。このクラスで100馬力とは、少し物足りないかなと思っていたが、アクセルに対するピックアップもよく、いきなり高々とフロントアップしてしまった。

そして太い中低速トルクで上がったフロントタイヤがなかなか地に着かない。スポーツバイクとしての楽しさは十分だ。ブレーキも前後ブレンボのシステムを搭載し、これまたスポーツバイクとしては最高峰のものを装備している。660ccとはいえ、レースに出るカテゴリのバイクではないが、ミドルクラススポーツバイクとしては凄く元気があって面白い。

Vツインのようなサウンドとフィーリングでストリートで操る楽しみ

アプリリア RS660アプリリア RS660
RS660のエンジンは659ccパラレルツイン=並列2気筒だが、270°クランク爆発を採用。サウンドとトルク感はまるでVツインのような回転フィール。そして600シリーズといえば、すぐに本格的レースをすることを考えてしまうが、このRS660は尖ったスーパーバイクの形はしているものの、ストリートで操る楽しみを味わわせてくれるシートとサスペンションの柔らかさがある。さらにパワーも普段使いを考慮し、上よりも下からのパワーを重視して面白く仕上げられている。

価格も他社メーカーと比べリーズナブルに抑えられていながらライド・バイ・ワイヤやコーナリングABSといった電子制御も概ね最新鋭のものが装備されている。つまりレース専用の装備が盛り込まれていながらストリートを意識した面白さを感じさせてくれるため、レースはしないがスーパースポーツバイクのような格好いいバイクに乗りたいという人には超オススメなバイクだ。

アプリリア RS660アプリリア RS660

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★
オススメ度:★★★★★

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

《丸山浩》

丸山浩

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー 1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る