2022年3月期予想の明暗---日産3年連続赤字、三菱自3年ぶり黒字へ[新聞ウォッチ]

日産自動車、2020年度決算を発表
日産自動車、2020年度決算を発表全 3 枚

自動車メーカーのオンライン方式による2021年3月期決算の発表会見が本格化し、担当記者はパソコンの画面から目が離せないことだろう。

きのう(5月11日)はスバルが午後1時30分から2時45分まで、三菱自動車が午後4時45分から約1時間。そして、日産自動車が午後6時から質疑応答も含めて1時間ほど行った。

きょうの各紙も経済面などでその決算関連の記事を取り上げているが、このうち、際立つのは「日産3年連続赤字予想」(読売)。21年3月期の最終利益が4486億円の赤字(前期は6712億円の赤字)と2年連続で赤字だったほか、22年3月期の業績予想でも最終利益を600億円の赤字を見込んである。

内田誠社長は「台数を求めるのでなく、新型車の質の向上をはかることは着実にできている」と語ったが、タイトルは「拡大路線の傷なお深く」(朝日)や「日産内田改革、黒字遠く、米中販売トヨタに差」(日経)などとネガティブだ。

フィリピンで2020年に発売された三菱アウトランダーPHEVフィリピンで2020年に発売された三菱アウトランダーPHEV

一方、資本提携先の三菱自動車も生命線の東南アジアで販売が落ち込み、21年3月期の純損益が3123億円の赤字で2年連続の最終赤字となったが、22年3月期の連結純損益が100億円の黒字に転換する見通しだと発表した。最終黒字は3年ぶりで、加藤隆雄社長兼CEOが「黒字化は何が何でも達成したい」と意気込んでいたのが印象的だった。

また、世界販売台数で比べると三菱自動車とほぼ同じ100万台のスバルだが、21年3月期の業績は半導体不足の影響などで2期ぶりの減収減益となったが、22年3月期の最終利益は米国市場の回復からも1400億円の増益を予想。同日決算発表の3社だけ比べてもお家の事情によって明暗が大きく分かれたようだ。

スバルが導入予定のEV、ソルテラスバルが導入予定のEV、ソルテラ

2021年5月12日付

●次世代ロケット再使用型、政府案H3後継コスト減(読売・1面)

●日産3年連続赤字予想、来年3月期600億円業績回復遅れ(読売・8面)

●鉄道客手荷物検査可能に、危険物持ち込み防止、省令改正へ(朝日・1面)

●車のナンバー交換、次の車検まで猶予、引っ越し時来年から適用(朝日・4面)

●スバル来年半ばまでにEV、初の本格販売、21年3月期は減収減益(朝日・7面)

●ゴーン被告調書報酬「約束ない」元側近の弁護人読み上げ(朝日・26面)

●国内新車販売ヤリスが首位(毎日・6面)

●JR東「みどりの窓口」7割減へ、コロナ拡大、非接触化推進(毎日・24面)

●本質と独創性にこだわり、ホンダ・三部敏宏社長(東京・7面)

●近ツー、資本増強400億円、近鉄や取引行が支援(日経・15面)

《福田俊之》

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