現存する最古のベントレー、『EXP 2』…レース初勝利100周年を祝福

創始者のW.O.ベントレーが試作した3台のうちの1台がEXP 2

3.0リットルエンジンを搭載し最高速128km/hを誇った EXP 2

100年前の初勝利の舞台「ブルックランズサーキット」

ベントレー EXP 2と同車のレース初勝利100周年を祝福するベントレー 3リッター
ベントレー EXP 2と同車のレース初勝利100周年を祝福するベントレー 3リッター全 9 枚

ベントレー(Bentley)は5月17日、最初のレースでの勝利から100年を迎えた、と発表した。現存する最古のベントレーであり、創業者のW.O. ベントレー自らが製作した2台目の試作車、『EXP 2』 が今から100年前、レースで初勝利を飾った。

創始者のW.O.ベントレーが試作した3台のうちの1台がEXP 2

1919年、ウォルター・オーウェン(W.O)ベントレーは、「速い車、良い車、クラス最高の車」を作るというシンプルな目標を掲げて、英国にベントレーモーターズを設立した。ベントレーはこの指針に従い、長きにわたりその原則を原動力として同ブランドを推進させてきた。2019年7月10日、ベントレーは創業100周年を迎えた。

W.O.ベントレーは、ベントレーモーターズを設立後、最初の数年間で3台の試作車を製作した。ベイカー・ストリートの郊外のニュー・ストリート・ミューズで、『EXP 1』(EXPerimental No.1)を製作。EXP1の最初の試走は、1919年10月だった。

ベントレーは同年、クリックルウッドの新しいワークショップにおいて、EXP 1と大部分を共有する『EXP 2』を製作した。さらに、「The Cab」として知られるW.Oベントレーの個人車両、『EXP 3』も製作された。

クリックルウッド時代の遺産と称されるEXP 2は、現存する最も古いベントレーだ。ベントレー史上、2台目のベントレーとして、EXP 2は1919年、オリンピアモーターショーで初公開された。EXP 2は、ベントレーブランドの100年の歴史において、重要なマイルストーンになるという。

3.0リットルエンジンを搭載し最高速128km/hを誇った EXP 2

W.O. ベントレーは、アルミ製ピストンの先駆者だった。W.O. ベントレーの戦前のレースでの経験を元に設計されたEXP 2は、排気量3.0リットルの4気筒エンジンを搭載し、最高速128km/hを記録した。EXP 2はベントレーで初めて、レースに勝利した車だった。

W.O. ベントレーの開発エンジニア兼レーシングドライバーのフランク・クレモンは1921年5月16日、ブルックランズで開催されたジュニアスプリントハンディキャップ戦において、EXP 2に乗り優勝を果たした。これがベントレーにとって、最初に記録されたレースでの勝利となった。フランク・クレモンは、有名なバンクのあるブルックランズサーキットにおいて、ベントレーブランドに初の勝利をもたらしただけでなく、その過程で多くの著名なレーサーを抜き去った。

1907年に建設され、約9.5mのバンクコーナーで知られるブルックランズサーキットは、「モータースポーツ界のアスコット(英国の歴史と伝統ある競馬場)」と称されており、ベントレーにとっては最高のテストコースだったという。ブルックランズサーキットで開催されたレースの多くは、小さなエンジンを搭載したマシンがパワーのあるベントレーよりも有利なスタートを切るハンディキャップレース。しかし、エンジニアリングに優れたW.O.ベントレーのチームは、このハンディキャップをものともせずに、頻繁に勝者になった。

1921年5月16日、ブルックランズ サーキットで、手作業で製造されたベントレー EXP 2が、あらゆるライバルを振り切ってフィニッシュラインを越えた。このレースが、ベントレーが初めて勝利したレースとなった。

100年前の初勝利の舞台「ブルックランズサーキット」

ベントレーは今回、最初のレースでの勝利から100年を迎えた。100周年を記念して、ベントレーはEXP 2を再びブルックランズサーキットに持ち込んで、これを祝った。EXP 2のノウハウは、ベントレー初の市販モデルの『3リッター』に生かされ、1921~1929年の間に1622台の3リッターが生産された。

なお、ブルックランズサーキットには、24台の3リッターが駆け付け、ベントレーのレース初勝利100周年を祝福している。

《森脇稔》

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