【トヨタ ヤリスクロス 新型試乗】もしグレード選びに迷ったら…岩貞るみこ

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Four
トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Four全 11 枚

今回の試乗車は、ハイブリッドの4WDである。タンク容量を見たら36リットルと、軽自動車並みの小ささに一瞬戸惑うけれど、カタログ値(WLTC)は26.0/リットル。つまりそのまま掛け算するとワンタンクで936km走れることになる。

実際の走行パターンとカタログ値は違うからそんな夢のような数字が出るわけはないけれど、それでも意地悪く半分として計算しても468km。遠出で遊びに行くには十分な数字。ハイブリッドのよさは、燃費のよさとしみじみ思う。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Fourトヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Four
ハイブリッドは燃費がいい。そのぶん車両本体価格が高いので、あまり走らない人は差額分をとりもどせないけれど、でも、ハイブリッドのよさはそれだけではない。走りのスムーズさだ。今回、特に私が感じたのは、一定速度で走っているときのなめらかさである。

たとえば、郊外の道を50km/hで走っているとする。高度なテクニックが身についている人は、アクセルペダルを一定に保てるのだが、私のような下手くそなドライバーは、一定速度を保つためにアクセルペダルを踏んで離してを無意識にやってしまうのだ。

そのとき、ヤリスクロスの懐の深さを見た。単なるエンジン車だと、そのたびにエンジン回転数が上がり、エンジン音が高まる。しかし、ヤリスクロスのハイブリッドは、ここをモーターが担当してくれる。エンジン回転数は変わらないまま速度だけ、するっと上がる。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Fourトヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Four
まさに、さらりと速度を調節してくれる。音にしろ加速感にしろ、体感的なストレスがほとんどないのだ。試しに、わざとアクセルを無造作に踏んでみても、モーターが速度を静かに上乗せしてくれる感覚だけで気持ちいいことこの上ない。

ヤリスクロスのグレード選びに迷ったら、このしなやかな走りとストレスのなさをぜひ年頭に於き、ハイブリッドを検討していただきたい。

車両について求めるとしたら、ふた付きで中身が見えなくなる小物入れが標準装備であるといいのにと思う。『ヤリス』はともかく、ヤリスクロスの行動範囲の広さを考えると、やっぱりちょっとした物を隠したいんだよね。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Fourトヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-Four

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  2. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  3. 父親への贈り物に“16万針の刺繍”で飾ったロールスロイスを…世界に一台の『ファントム・ダンテル』公開
  4. 新型『キックス』ブラジル発売で浮き彫りになった「日産への期待と本音」
  5. マセラティが新型車を世界初公開へ、「トライデント」ロゴ誕生100周年を祝う…グッドウッド2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る