ローマ教皇のパレード車、EVのフィスカー『オーシャン』ベースで開発…2022年納車へ

1回の充電での航続は最大563km

内装にリサイクル素材を多用

フルレングスのソーラールーフ

車体のルーフにオールガラス製のスペースを追加

フィスカー・オーシャン がベースの「パパモービレ」の完成イメージ
フィスカー・オーシャン がベースの「パパモービレ」の完成イメージ全 23 枚

ヘンリック・フィスカー氏が率いるフィスカーは5月21日、新型EVの『オーシャン』(Fisker Ocean)をベースにしたローマ教皇のパレード用車両、「パパモービレ」を開発すると発表した。

【画像全23枚】

1回の充電での航続は最大563km

オーシャンはフィスカー初の電動SUVで、バッテリーの蓄電容量は、標準仕様でおよそ80kWhとなる。1回の充電で、最大およそ350マイル(約563km)を走行できる性能を備える。

オーシャンには、完全新開発のプラットフォームを採用する。この新世代のプラットフォームからは、さらに2車種の新型フィスカーモデルが、登場する予定だ。

オーシャンの駆動方式は4WDだ。前後アクスルにモーターを搭載する。米国でのベース価格は、3万7499ドル(約408万円)と、従来のフィスカーの電動モデルと比較すると、大幅にリーズナブルな価格を実現する。トヨタ・ミライ・パパモービレ(2020年)トヨタ・ミライ・パパモービレ(2020年)

内装にリサイクル素材を多用

インテリアには、カーペットにリサイクル素材を活用した。このカーペットには、廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用している。また、インテリアの素材には、100%ポリカーボネートポリウレタンと100%強化レーヨンバッキングを採用した。さまざまなVOC(ホルムアルデヒドなど)の厳しい化学物質排出規制に適合している。

また、エコスエードも使用された。Tシャツなどのポリエステル繊維、ペットボトル、プラスチックなどをリサイクルした素材も用いられている。ポリエステルのリサイクルでは、従来のガソリンベースのポリエステル製造プロセスと比較して、エネルギー消費と大気へのCO2排出を80%削減することができるという。エコサステナビリティとして、汚染物質の排出とエネルギー消費のレベルは、オーシャンの生産サイクル全体を通じて保証されている。

オーシャンでは、ゴム廃棄物も再利用する。フィスカーは、タイヤの製造中に発生した廃棄ゴムを、埋め立てせずに利用する。リサイクルすることでエネルギーの量を大幅に節約でき、最終的に温室効果ガスの排出を削減できるという。2013年、フランシスコ教皇がブラジルのリオデジャネイロを訪問。2013年、フランシスコ教皇がブラジルのリオデジャネイロを訪問。

フルレングスのソーラールーフ

オーシャンには、カリフォルニアモードを設定する。カリフォルニアモードはSUVとしては初めて、ソフトトップを使用せずに、ルーフをフルオープンにできるシステムで、フィスカーの特許技術という。

その内容は、スイッチひとつで、9枚の窓ガラスを下げることが可能になるというものだ。フロントサイドガラスが左右2枚、リアサイドガラスが左右2枚、リアクォーターガラスが左右2枚、リアハッチガラスが1枚、ルーフガラスが2枚の合計9枚の窓ガラスを、スイッチ操作ひとつで下げることができる。

オーシャンには、フルレングスのソーラールーフが採用された。モーターのパワーをサポートし、電費効率を高めている。テクノロジーの進化に伴い、フィスカーは、より高いエネルギー効率と、より優れたハードウェアソリューションを追求したという。2012年、ベネディクト16世がドイツのフライブルクを訪問。2012年、ベネディクト16世がドイツのフライブルクを訪問。

車体のルーフにオールガラス製のスペースを追加

フィスカーは、オーシャンの生産を2022年11月に開始することを目指している。このオーシャンに採用されるのが、マグナが新開発したプラットフォームだ。またオーシャンは、欧州のマグナの工場に生産を委託する。マグナでは現在、グローバルブランドに代わって、複数の車両を受託生産している。

フィスカーはこのオーシャンをベースにしたローマ教皇のパレード用車両、パパモービレを開発する。車体のルーフに、オールガラス製のスペースを追加。これにより、パレード時に、観衆が教皇の姿を確認できるようにする。

この特別に開発されるオーシャンは、ヘンリック・フィスカー氏がデザインを手がけ、パパモービレ史上、最初のフルEVになるという。フィスカーは2022年内に、オーシャンベースのパパモービレを教皇に届ける予定だ。

ヘンリック・フィスカー氏は、「フランシスコ教皇が環境と将来の世代のために、気候変動の影響について非常に憂慮していることを知り、刺激を受けた」と述べている。

《森脇稔》

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