トヨタの新型EV『bZ4X』、米国は異形ステアリングホイールなし 市販版は2021年後半発表

欧米で異形ステアリングホイールを装着できない理由

ボディサイズは『RAV4』とほぼ同じ

新AWDシステムはスバルと共同開発

トヨタ bZ4X(米国仕様)
トヨタ bZ4X(米国仕様)全 17 枚

トヨタ自動車(Toyota)の米国部門は6月2日、EVコンセプトカーの『bZ4X』を米国初公開した。bZ4Xの特長だった異形ステアリングホイールは、通常の丸いステアリングホイールに変更されている。

bZ4Xは4月、中国で開幕した上海モーターショー2021でワールドプレミアされたEVコンセプトカーだ。トヨタは、電動車のフルラインアップ化の一環として、2025年までにEVを15車種発売する計画を掲げている。そのうち、EVの新シリーズとなるのが、「bZ」シリーズ。bZシリーズは、7車種を発売する計画だ。

新EVシリーズのbZは、中国・米国・欧州など、EVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域で、多くの顧客に受け入れてもらうことを目指しているEVだ。bZは「beyond Zero」の略で、単なる「Zero Emission」を超えた価値を顧客に提供したいという想いを込めている。トヨタ bZ4X(2021年4月の上海モーターショー2021発表時)トヨタ bZ4X(2021年4月の上海モーターショー2021発表時)

欧米で異形ステアリングホイールを装着できない理由

上海モーターショー2021でワールドプレミアされたbZ4Xには、操舵時に持ち変える必要がなく、広々としたスペースの演出にも貢献する異形ステアリングホイールが装着されていた。このステアリングホイールは、レーシングカーのように上側にグリップ部分がないデザイン。また、意のままにスムーズな運転感覚をもたらすステアバイワイヤも採用されていた。

今回、米国初公開されたbZ4Xでは、この異形ステアリングホイールが、通常の丸いステアリングホイールに変更された。これに伴い、ステアリングスイッチの配置も見直されている。

bZ4Xは4月の発表時、欧州でも通常の丸いステアリングホイールを装着しているインテリアの写真が公開されていた。米国と欧州で異形ステアリングホイールの写真を使用していないのは、現地の法規が関係している可能性がある。トヨタ bZ4X(米国仕様)トヨタ bZ4X(米国仕様)

ボディサイズは『RAV4』とほぼ同じ

トヨタbZシリーズについては、顧客のニーズに応じたさまざまなボディサイズやスタイルのEVを開発する。しかし、これは、トヨタ1社だけでは困難であることから、それぞれ得意分野を持つパートナー企業と共同開発を進めていく。パートナー企業には、SUBARU(スバル)、ダイハツ、スズキ、中国BYDの名前が挙がっている。

bZ4Xは、トヨタのbZシリーズ第一弾のEVで、パートナーのスバルと共同開発されているSUVタイプのEVだ。トヨタとスバルの共同開発は、初代トヨタ『86』と初代スバル『BRZ』から始まった。bZ4Xには、トヨタとスバルが共同開発した「e-TNGA」EV専用プラットフォームを採用している。電動化を得意とするトヨタ、優れたAWD技術を持つスバルが、互いの強みを持ち寄り、快適かつ楽しめる走りを実現するEVを目指しているという。

bZ4Xは、EV専用プラットフォームによるショートオーバーハング、ロングホイールベース化により、特徴的なスタイリングと、Dセグメントのセダン並みの室内空間を追求している。低いインストルメントパネルやステアリングホイール上方に配置したメーターによる開放感や視認性の向上とともに、さらに安心・安全なドライビングを実現した。ボディサイズは、『RAV4』とほぼ同じという。トヨタ bZ4X(米国仕様)トヨタ bZ4X(米国仕様)

新AWDシステムはスバルと共同開発

スバルと共同開発した新AWDシステムを採用した。電動車ならではの素早いレスポンスを生かした安全で気持ちの良い走りと、高い走破性を追求している。

bZ4Xには、回生エネルギーの活用に加えて、停車中も充電を行い、EVならではの環境性能をさらに上積みするソーラー充電システムを採用した。これにより、バッテリー性能が低下する冬場などの低温下でも、顧客に不便を感じさせない航続を確保している。bZ4Xは、多くの顧客が安心してEVを選択できるよう、使用環境を考慮した航続を追求する。EVならではの開放的で自由度の高い室内空間と、斬新な外観デザインも特徴になる。

なお、トヨタbZ4Xは、日本と中国での生産を予定している。今回の米国初公開に合わせて、2021年後半に市販モデルを発表することが明らかにされた。2022年の半ばまでにグローバルでの販売を開始する、としている。
トヨタ自動車は10月29日、新EV「bZ」シリーズの第1弾としてSUVタイプの『bZ4X(ビー・ズィー・フォー・エックス)』の詳細を公表した。1回の充電で最大5……

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  2. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  5. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る