京セラ、「スマート無人レジシステム」を発表…独自開発の“物体認識AI技術”を搭載

スマート無人レジシステム利用イメージ
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京セラは6月10日、独自に開発した"物体認識AI技術"を搭載した画像認識型「スマート無人レジシステム」に関する記者説明会を開催した。

同レジシステムは昨今のコロナウイルス感染対策、労働人口の減少といった社会問題に対し、店舗運営の効率化や対人接触機会の削減といった側面から貢献する技術となる。

従来の無人レジは商品ごとのICタグ管理や、大量のカメラを使った多カメラ方式などで実現されていたが、今回のシステムはレジに1台のカメラとパソコン、ディスプレイだけで運用が可能となっている。このためコスト面の負担が少なくなるのは大きなメリットのひとつだろう。

続いて画像認識の精度について、実証動画ではカメラに物が写った瞬間に認識しているだけでなく、パッケージの重なりなどがあっても瞬時に商品を認識。さらに手に持った商品の認識も行えていた。既存の無人セルフレジでは客が1点ずつバーコードを読み取るため時間がかかっていたが、これならばレジ台に商品をざっと並べるだけで認識が完了するため、レジの混雑緩和が見込める他、客側の作業の負担も軽減できるようになっている。

商品認識の様子商品認識の様子

その他社員食堂での実例として、料理がお皿に乗っている状態では料理を認識、食後の状態ではお皿を中心にメニューを認識している様子を確認できた。色や形にバラツキがある生鮮食品もしっかりと認識しており、認識精度の高さが伺えた。

また、店舗側のメリットとしてもうひとつ大きな物が挙げられた。従来の画像認識型の無人レジシステムでは、新規の商品を追加する場合、既存の商品も含めてすべて1から再学習する必要があった。しかし、本システムでは従来品は従来品として認識、新規に追加したい商品だけを学習する技術を開発し、登録にかかる時間を大幅に短縮することに成功している。

これらは、すべて京セラが独自開発した"物体認識AI技術"のシステムを利用しており、認識商品数の拡大、必要な学習データの量などにおいて、既存手法と大きく異なった技術が用いられている。従来の物体認識では大量の学習データの中から物体を判別していたが、本システムは少ないデータから大量のデータを生成する新技術"学習データ生成技術"が用いられている。この"学習データ生成技術"については別途、2021年7月25日~27日に開催される国際会議「MVA2021」にて正式に発表予定とのことだ。

「スマート無人レジシステム」は2023年を目処に実用化を予定で、現在は研究開発が終了した段階となる。今後は実現場での課題出しが必要となってくるため、社外のパートナーとの協業が必要だと先進技術研究所所長の小林正弘氏は述べていた。

《二城利月》

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