トヨタ、工場のカーボンニュートラルを2035年に前倒し…「ものづくり」で説明会

トヨタ自動車元町工場
トヨタ自動車元町工場全 2 枚

トヨタ自動車は6月11日、カーボンニュートラル実現への取り組みに関連し、メディア関係者向けに同社の「ものづくり」の説明会をオンラインで開いた。

岡田政道執行役員(CPO=チーフプロダクションオフィサー)が、トヨタ生産方式(TPS)などに基づく同社のものづくりの強みや、取り組み方針をプレゼンテーションした。このなかで岡田氏は、工場のカーボンニュートラルである「グリーンファクトリー」の実現について、「従来の2050年の目標を、2035年に達成しようというところに目標を新たに設定した」と、一気に15年前倒しする方針を示した。

自動車のカーボンニュートラルについては今後、走行時のCO2(二酸化炭素)など温室効果ガスの排出ゼロにとどまらず、生産から廃棄に至るまでLCA(ライフサイクルアセスメント)での実質ゼロ化で評価されることになる。このため、製造段階である工場のカーボンニュートラルは、車両の電動化と並ぶ自動車メーカーの大きな課題となっている。

トヨタは工場の環境負荷を抑制する取り組みをグリーンファクトリーの名のもとに、推進してきた。今回の説明会で、岡田氏は塗装工程や鋳造工程でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを示し、塗装の新技術では塗料が飛散しない工程や、プレス金型のなかで車体外板に塗装を施す工法、更にはシートを張り付ける工法などを紹介した。

また、鋳造では鋳物の中空部を作るための鋳型の一部である中子(なかご)の製造工程で、エネルギー消費を抑える工法例などを示した。岡田氏は「塗装と鋳造はクルマづくりで最もCO2を出す工程であり、こういうところを前倒しで改めていきたい」と、指摘した。また、工場の電力を再生可能エネルギーなどでまかなうため「電源のオンサイト化」などを進める考えも示した。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  5. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る