きょう10時から開催する定時株主総会に花を添えるのに、これほどの演出効果はほかにはあるまい。1万円の大台を目前に足踏み状態を続けていたトヨタ自動車の株価が、6月15日の東京株式市場でようやく1万円を超えた。
トヨタ株の1万円突破は、1949(昭和24)年の上場以来72年の年月を経過して初めてという。この日の終値は前日比1.8%高の1万75円で上場来高値も更新。発行済み株式数に基づく企業価値を示す時価総額も32兆8000億円以上に膨らみ、過去最高を上回った。
きょうの各紙にも「トヨタ株、初の1万円超」などと取り上げているが、日経によると「世界での好調な自動車販売による業績拡大への期待や、『脱炭素』への取り組みが評価された」などと伝えている。
新型コロナウイルス禍や世界的な半導体不足でも堅調な業績が見込める銘柄として市場の関心を集めていたトヨタ株。そんななか、1週間前には若手社員のパワハラ自殺問題で和解したニュースが取り沙汰されたが、豊田章男社長自らが遺族側と面会するなど、率先垂範で誠意を尽くした“神対応”がむしろ投資家にも評価されたようで、株価への悪材料とはならなかったようだ。
日産ノートオーラと、発表会ゲストの中谷美紀ただ、日経はSBI証券の遠藤功治氏が「節目の1万円を超え、さらに大きく上昇するには会社側の業績予想引き上げなど新たな材料が必要になる」とのコメントも紹介している。
もう一つ、トヨタで気掛かりなのは今夏開催予定の東京五輪・パラリンピックの最高位スポンサーであること。菅首相の「人類がコロナに打ち勝った証」というのであればいいのだが、世論の反対を押し切ってまで強行した結果、万が一、大会期間中や開催後に感染が拡大するようなことになると、逆風にさらされることにもなりかねない。
VWゴルフ新型2021年6月16日付
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