【ジープ コンパス 新型試乗】インテリアが「別世界」に進化、美点はカジュアルさにあり…島崎七生人

ジープ コンパス 改良新型(Longitude)
ジープ コンパス 改良新型(Longitude)全 13 枚

マイナーチェンジでインテリアが「別世界」に

YJ、TJ、JK、JL……マニアックな『ラングラー』のユーザーは、自分のクルマを年式ではなく社内コードで言うのが慣わしらしい。べつに張り合うつもりはないが、さしずめ今回の『コンパス』は“M6”のマイナーモデルチェンジ版である。

“MK”から一新され『コンパス』の2代目として“M6”が導入されたのが2017年。今回の変更は、外観、内装のアップデートと、安全性と快適性の機能、装備の充実を主眼としたものとなっている。外観では従来のキセノン式に対し約2倍の明るさというLEDヘッドライトをデイタイムライト内蔵で全車に標準装備化(リヤもLED化)したほか、バンパーの意匠変更や、セブンスロットグリルも微妙な形状変更を受けている。

ジープ コンパス 改良新型(Longitude)ジープ コンパス 改良新型(Longitude)
一方でインテリアは、まるで別世界へと一新された。10.25インチのメータークラスター、10.1インチのセンターディスプレイ(Uconnect5搭載、Sportは8.4インチ)の採用は今どきの常識として、横一文字に通した、ファブリックと加飾パネルを組み合わせたデザインが、実に洗練された心地いい雰囲気を生み出している。よく見ればドア側のインナートリム、センターコンソールも新しいが、乗り込んで気持ちが安らぐ、そんな設えになった。

カジュアルに乗りこなせる点が最大の魅力

試乗車はFFの上位グレードの「Longitude」だった。エンジンはシリーズ全車共通のフィアット由来の4気筒・2.4リットル・マルチエア(175ps/23.4kg・m、レギュラーガソリン仕様)を搭載し、これに6速ATの組み合わせ。4WDではなかったので、たまたま今回は、以前に初代の“MK”を試乗したこともある同じ界隈で試乗したが、あくまで軽やかに走るサマがいいと思った。

ジープ コンパス 改良新型(Longitude)ジープ コンパス 改良新型(Longitude)
4WDを試乗した、とある同業大先輩の話では「クルマとしてしっとりして感じるのは4WDのほう」とのことで、それはちょうど軽快なフィアット『500X』と重厚感のあるジープ『レネゲード』の4WDの走りの味わいの違いのようなものではないかと想像する。

いずれにしても、発進時に多少、飛び出し感があったり、エンジンを高回転まで回すと威勢のいい音が聞こえたり……と、眉間にシワを寄せるなら指摘できる事象はなくはない。が、何より街中でも実に扱いやすいボディサイズだし、快適に、カジュアルに乗りこなせる点こそこのクルマの最大の魅力で、同クラスで国内外のSUVタイプの購入を検討するなら、忘れずにショッピングリストに加えたい1台だと思う。

ジープ コンパス 改良新型(Longitude)ジープ コンパス 改良新型(Longitude)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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