搭乗口まで自動運転走行する車いす『WHILL』…羽田空港第1・第2ターミナルでサービス開始

セキュリティエリア内の待機所~搭乗口を自動走行する「WHILL」
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羽田空港のターミナルビルを運営する日本空港ビルデングは6月22日、第1・第2ターミナルで運用する自動運転パーソナルモビリティ『WHILL(ウィル)』のメディア説明会を開催した。国内線乗客は今後、このWHILLを誰でも無料で利用できるようになる。

第1・第2ターミナルで計24台の WHLL を運用。誰でも無料で使える

サービス内容を説明する日本空港ビルディング 事業開発本部 事業開発部事業開発課の倉富裕課長サービス内容を説明する日本空港ビルディング 事業開発本部 事業開発部事業開発課の倉富裕課長

このパーソナルモビリティは、昨年7月より日本航空が中心となり第1ターミナル南ウイングで提供してきたもので、空港における自動運転パーソナルモビリティの運用は世界初の事例となった。

現在は第1ターミナルで運用中の6台と、第2ターミナルに3台の計9台を配備しているが、7月中旬には両ターミナルそれぞれ12台ずつ計24台を運用できるようにする予定。ここまでの運用は自動運転パーソナルモビリティとしても国内最大の規模になる。

第1ターミナルの「WHILL」待機場所第1ターミナルの「WHILL」待機場所

サービスエリアを拡大することで、今後は第1ターミナルに乗り入れる日本航空とスカイマーク、スターフライヤー、第2ターミナルに乗り入れる全日本空輸とエア・ドゥ、ソラシドエアの国内線全6社の乗客すべてががWHILLを無料で利用可能となる。

自動運転で走行するWHILLは東京・品川に本社を構えるWHILL社が開発したもので、自動運転機能を備えていないWHILLはシニアカーとして国内外の多くのユーザーに利用されている。それをベースに前方を状況を把握するカメラを左右のアームレストの先端に備え、周囲360度の状況を前後に備えた2つのLi-DARによって監視しながら自動走行する。

第2ターミナルの「WHILL」待機場所第2ターミナルの「WHILL」待機場所

走行時は2.5km/hと歩行速度よりも少し遅い速度で走行するが、これは万一に備えて安全に停止できることや同行者が一緒に歩けることを配慮しての対応だ。WHILL背後にはカーゴスペースも用意されており、ここには最大10kg程度の荷物が載せられる。

待機所~搭乗口~待機所までのルートをすべて自動運転で走行

国内線利用者は航空会社を問わず誰でも無料で利用できる国内線利用者は航空会社を問わず誰でも無料で利用できる

利用者はWHILLの待機場所から乗車し、目的地として搭乗口を指定すると自動運転で走り出す。あらかじめ搭乗口に通じるフロアの地図が収録されており、WHILLはその地図を照らし合わせながら走行。人を避ける行動はしないものの、人や障害物を検知するとカメラの周囲が赤く光って自動停止する。それでも進路を塞がれた状態が続くと、音声で「道を空けて下さい」とのメッセージを発して周囲に進路の確保を促す。

目的地に着いて利用者が下りた後は、自走して待機場所まで戻るようプログラミングされている。

自動運転走行を可能にしたパーソナルモビリティ、WHILL自動運転走行を可能にしたパーソナルモビリティ、WHILL

運用時間は8~20時。バッテリーはこの利用に耐える十分な容量を持たせたが、自動充電する機能は備えていないため、必要があればモニターしている管理者が随時充電して対応することになっている。

日本空港ビルディングによれば、これまでに「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で車いすを係員に押してもらうのが申し訳なかったが、このWHILLなら自分自身で移動できる」といった声が寄せられ、今回のエリア拡大はこうした声を受けたものだという。

パーソナルモビリティWHILLの機能パーソナルモビリティWHILLの機能

これまでの利用者の傾向としては、「比較的若い世代の利用が多い」(日本空港ビルディング)とのことだが、これはスマートフォンでの操作が前提となっていることが要因と思われる。こうした点を踏まえ、日本空港ビルディングでは「高齢者にも扱いやすいような何らかの手立てを考えていきたい」としている。

日本空港ビルディングでは今後、こうした空港内で車いすを使いたいというニーズに応えるほか、地上係員の負担軽減や省人化、感染症に対するリスク低減の観点から車いすの自動運転化を積極的に進めていく考えだ。

搭乗口を指定するだけでWHILLは自動走行を開始する搭乗口を指定するだけでWHILLは自動走行を開始する

《会田肇》

【画像】搭乗口まで自動運転走行する車いす『WHILL』…羽田空港第1・第2ターミナルでサービス開始(18枚)

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