マツダ MX-30 ロータリーレンジエクステンダーは中止になっていない…日経報道はなぜ中止としたか

マツダ MX-30 EV
マツダ MX-30 EV全 4 枚

6月28日、技術系情報サイト『日経クロステック』に「マツダがロータリーエンジンを使った電動車の開発を中止」したととれる内容の記事が公開された。だが、この記事の内容は正確ではない。

【画像全4枚】

ただ、電動化といってもマイルドハイブリッドからストロング、パラレル、シリーズ、プラグインと用語が濫立しており、OEM各社はモデル名やマーケティング用語としても使っている言葉のため、明確な定義・分類も難しい面がある。誤解・誤認は自分も含めて危険性を認識している。事実関係をマツダにも確認したので、その情報を整理したい。

まず、28日の報道をみて多くの関係者、マツダファンは「22年発売をアナウンスしていた『MX-30』のロータリーレンジエクステンダー(ロータリーREX)の発売は中止になったのか」と思っただろう。筆者もそう理解した。しかし、この少し前、6月17日にマツダは電動化に関する製品計画などの記者発表を行っている。そこでは、ピュアEV、PHEV、HEV(ハイブリッド)モデルポートフォリオの計画を明らかにした。

EV3モデル、PHEV5モデル、HEV5モデル、計13モデルを2030年までに市場投入するというものだ。PHEV5モデルのひとつは、22年発売予定の「MX-30ロータリーREX」だった。他にもHEV5モデルのラインナップのどれかがロータリーエンジンを利用したものが含まれる可能性があることを確認した。ハイブリッドの方式はエンジン出力を駆動力に利用しないシリーズハイブリッドとなる。

確認したところ、マツダとしてはこの計画に変更はないとのことだ。つまり22年発売予定のMX-30 ロータリーREXもいまのところ変更はない。これは先の計画ではPHEV5モデルのひとつとなる。詳細未定ながら、ロータリーエンジンを搭載したシリーズハイブリッドのプランも計画は残っている。

では、なぜ日経クロステックは「ロータリー中止」と報じたのか。調べていくと次の事実に行き着いた。日経の記者はこれを「ロータリー中止」と解釈したと思われる。マツダは先の電動化計画では、「ロータリーエンジンの出力を駆動力に使うタイプのハイブリッド」について言及がない。マツダ広報も前述の13台の計画にはロータリーエンジンを搭載したストロングハイブリッドモデルは含んでいないとしている。

ロータリーエンジンは、発電機としてマツダの電動化戦略の一端を担う存在として残る。内燃機関車向けのロータリーエンジン、ロータリーエンジンを駆動力源としても利用するストロングハイブリッドの復活は、水素燃料やe-Fuelの実用化やインフラ整備が進んでからとなるだろう。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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