史上最速のポルシェ カイエン「ターボGT」、ヒルクライムに出走…グッドウッド2021

専用のフロントバンパーとリアスポイラー

4.0リットルV8ツインターボは最大出力640ps

専用チューニングされたサスペンション

3台の歴代カイエンもヒルクライムに出走

ポルシェ・カイエン・ターボ GT(グッドウッド2021)
ポルシェ・カイエン・ターボ GT(グッドウッド2021)全 13 枚

ポルシェは7月9日、『カイエン・ターボGT』(Porsche Cayenne Turbo GT)が英国「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のヒルクライムに出走した、と発表した。

専用のフロントバンパーとリアスポイラー

カイエン・ターボGTには、目立つスポイラーリップと大型サイドクーリングエアインテークを備えた専用フロントバンパーを装備する。流線型のカーボンルーフとブラックのホイールアーチエクステンション、ネオジムの22インチのGTデザインホイールも採用された。ルーフスポイラーに縦方向に取り付けられたカーボンサイドプレートは専用となる。

また、ベース車両の『カイエン・ターボクーペ』よりも25mm大きいアダプティブ展開式リアスポイラーリップも専用装備した。これによって、300km/hの最高速でのダウンフォースが最大40kg増加するという。リアには、カーボン製ディフューザーパネルを装備した。オプションで、新しいアークティックグレーのボディカラーが選択できる。

中央にテールパイプを備えた標準装備のスポーツエグゾーストシステムは、カイエン・ターボGT専用だ。リアサイレンサーを含む車両中央からのエグゾーストシステムは、軽量で耐熱性に優れたチタン製とした。センターサイレンサーを削除したことで、さらなる軽量化も実現するという。ポルシェ・カイエン・トランスシベリア(グッドウッド2021)ポルシェ・カイエン・トランスシベリア(グッドウッド2021)

4.0リットルV8ツインターボは最大出力640ps

カイエン・ターボGTの直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、ベース車両のカイエン・ターボクーペに対して、最大出力が90ps引き上げられ、640psを獲得する。最大トルクは86.7kgmと、8.2kgm上乗せされた。「カイエン」シリーズの内燃エンジン搭載車としては、最強モデルとなる。

クランクシャフトドライブ、ターボチャージャー、ダイレクトフューエルインジェクション、インダクションシステム、インタークーラーなどに大規模な変更が施された。V8エンジンは、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、タイミングチェーンドライブ、ねじり振動ダンパーなどが、カイエン・ターボクーペのV8とは異なる。これらのコンポーネントは、640psに増加した最大出力と向上したドライビングダイナミクスに合わせて設計されているという。

このツインターボエンジンは、ポルシェで最もパワフルな8気筒ユニットだ。高速でシフトする8速「ティプトロニックS」と「ポルシェトラクションマネジメント(PTM)」システムも変更された。トランスファーケースのウォータークーラーも追加されている。これらの結果、カイエン・ターボGTは0~100km/h加速3.3秒と0.6秒短縮。最高速は14km/hプラスされ、300km/hに到達する。ポルシェによると、史上最速のカイエンになるという。ポルシェ・カイエン・ターボS(グッドウッド2021)ポルシェ・カイエン・ターボS(グッドウッド2021)

専用チューニングされたサスペンション

カイエン・ターボGTには、専用開発されたシャシーシステムとパフォーマンスタイヤが標準装備される。車高は、カイエン・ターボクーペと比べて、最大17mm低い。これに基づいて、パッシブシャシーコンポーネントとアクティブコントロールシステムの両方が再設計されており、ハンドリングとパフォーマンスが最適化された。

また、それらの間の完全な相互作用を実現するための専用のキャリブレーションも備える。例えば、3チャンバーエアサスペンションの剛性が最大15%向上し、「ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)」のダンパー特性、「パワーステアリングプラス」、リアアクスルも専用チューニングされた。「ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)」アクティブ制御ロール安定化システムは、パフォーマンス指向の制御ソフトウェアで作動する。その結果、ロールの安定性とロードホールディングがさらに向上し、高速コーナリングではさらに精確なターンインを実現しているという。

「ポルシェトルクベクトリングシステム」は、これに合わせてより高いトルクバイアス比を可能にした。最適化されたフロントアクスルもハンドリングを改善する。専用開発された22インチのピレリ「P Zeroコルサ」パフォーマンスタイヤは、カイエン・ターボクーペと比較してフロントホイールが1インチ広く、ネガティブキャンバーは0.45度増加して、大きな接地面を持つ。「ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)」システムも標準装備されている。ポルシェ・カイエン GTS(グッドウッド2021)ポルシェ・カイエン GTS(グッドウッド2021)

3台の歴代カイエンもヒルクライムに出走

このカイエン・ターボGTが、英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに参加し、ヒルクライムに出走した。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは1993年、マーチ卿がイングランドのウエストサセックス州グッドウッドの広大な邸宅で始めたイベントだ。世界中から新旧のレーシングカーをはじめ、希少な自動車が集結して賑わいを見せる。

フェスティバルの恒例行事が、ヒルクライム。スーパーカーを含めた市販車だけでなく、F1やWRC(世界ラリー選手権)マシンなどが、およそ1.9kmのコースを一気に駆け上がり、観客を沸かせる。

また当日は、2008年の『カイエン・トランスシベリア』、2008年の『カイエン・ターボS』、2014年の『カイエンGTS』の3台の歴代カイエンも、ヒルクライムに出走した。これらのカイエンはすべて、「ポルシェミュージアム」にコレクションとして収蔵されているものだ。

《森脇稔》

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