マクラーレン 720S がヒルクライム最速に…グッドウッド2021

ベースの720Sの90%以上の部品を変更や最適化した720S GT3

レース参戦を想定していないGT3XはGT3よりも200ps以上パワフル

全長1.86kmのコースを45.01秒のタイムで駆け上がる

マクラーレン 720S GT3X(グッドウッド2021)
マクラーレン 720S GT3X(グッドウッド2021)全 8 枚

マクラーレンオートモーティブは7月12日、英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2021」のヒルクライムにおいて、マクラーレン『720S GT3X』(McLaren 720S GT3X)が最速となった、と発表した。

同車は、マクラーレン『720S』のレーシングカー、マクラーレン『720S GT3』をベースに、サーキット走行を楽しみたいという個人ユーザーに向けて開発された。公道走行は不可のサーキット専用車になる。

ベースの720Sの90%以上の部品を変更や最適化した720S GT3

ベースモデルの720Sと同じように、720S GT3には軽量かつソリッドなカーボンファイバー製「モノケージ2」シャシーを使う。720S GT3では、ベースモデルの720Sの90%以上のコンポーネントが、変更や最適化された。ボディ、エアロダイナミクス、サスペンションの変更に加え、トランスミッションの改良や、新しいブレーキシステム、ピレリ製レーシングタイヤが組み合わされ、サーキット走行への対応が図られた。

エアロダイナミクス性能はさらに改良され、サーキットでの安定性とエアロダイナミクス面での効率性を追求した。カーボンファイバーと複合素材を使った軽量のボディパネルは、すべて720S GT3専用。専用設計のリップスポイラー、フロア、ダイブプレーンがフロント部分の特長だ。リア部分には、エアロダイナミクスを最適化したGT3 仕様の大型リアウィングを装着する。

パワートレインは、レース用に開発されたM840T型4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンだ。このエンジンは、一般的なレースに加えて、耐久レースでの効率性向上を目指して、トルクカーブを改良した。6速シーケンシャルパドルギアボックスには、シフトスピード、操作性、信頼安定性を向上させる電動シフトアクチュエーターが追加されている。

レース参戦を想定していないGT3XはGT3よりも200ps以上パワフル

この720S GT3をベースに開発されたのが、720S GT3Xだ。720S GT3Xは、最も厳しい世界の複数のサーキットにおいて、集中的なテストプログラムに取り組んできた。

720S GT3Xでは、強化されたパワートレインや最適化された冷却パッケージを備えた「GT3エアロパッケージ」を装備する。パフォーマンスレベルは、目標として設定されたすべての数値を満たし、または超えているという。

マクラーレン720S GT3Xは、720Sのプラットフォームをベースに、サーキットでのパフォーマンスを追求している。M840T型4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、レースのGT3レギュレーションによる制限が解除された結果、720S GT3よりも200ps以上パワーが引き上げられ、720psを獲得する。「プッシュツーパスシステム」によって、パワーを30ps追加し、750psとすることもできる。

インテリアは720S GT3に対して、ロールケージのデザインなど、一部パッケージが見直された。これにより、オプションで助手席を取り付けることができる。

全長1.86kmのコースを45.01秒のタイムで駆け上がる

このマクラーレン720S GT3Xが、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2021のヒルクライムにおいて、最速となった。同フェスティバルの恒例行事が、ヒルクライム。スーパーカーを含めた市販車だけでなく、F1やWRC(世界ラリー選手権)マシンなどが、およそ1.86kmのコースを一気に駆け上がり、観客を沸かせる。

マクラーレン720S GT3Xは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2021のヒルクライムの「タイムドシュートアウトファイナル」に出場。マクラーレンのファクトリードライバーのロブ・ベル選手のドライブにより、全長1.86kmのコースを45.01秒のタイムで駆け上がった。

このタイムは、2位に1秒以上の差をつけて、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2021のヒルクライムで最速に。2位は、トラビス・パストラーナ選手が操った最大出力862hpのスバル『WRX STI』のワンオフモデル。人気映像『ジムカーナ』シリーズの最新作にも起用された同車が、46.2秒を計測している。

《森脇稔》

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