VWの新型EV、『ID.4』が耐久テスト…米国本土の全48州を横断へ

EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

1回の充電での航続は最大520km

200以上の「Electrify America」の充電ステーションを利用

フォルクスワーゲン ID.4
フォルクスワーゲン ID.4全 6 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は7月13日、新型EVの『ID.4』を使って、アメリカ合衆国本土の全48州を横断する耐久テストを行うと発表した。

EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

ID.4はフォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの2番目のモデルだ。第1弾は、小型ハッチバックの『ID.3』だった。ID.4は、フォルクスワーゲン初の本格的な電動SUVになる。世界最大の市場セグメントに成長しているコンパクトSUVセグメントに投入するために開発された。

ID.4は、フォルクスワーゲングループのEV向けモジュラー車台、「MEB」アーキテクチャをベースにしている。全長は4580mmで、乗員のための充分なスペースを持つ。トランクルームの容量は543リットル。後席を倒せば、最大で1575リットルに拡大する。電動テールゲート、ルーフレール、キャンピングカーなどのけん引ブラケットが装備される。

インテリアは、ボタンやスイッチ類を極力なくし、2つのディスプレイに操作系を集約した。そのうちの1つのディスプレイは12インチサイズで、タッチ機能を備える。

1回の充電での航続は最大520km

ID.4は、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。リアアクスルに搭載されたモーターは、最大出力204psを引き出す。動力性能は、0~100km/h加速が8.5秒、最高速は160km/hでリミッターが作動する。

バッテリーは蓄電容量が77kWh。1回の充電で最大520 km(WLTP計測)の航続を可能にする。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。後輪駆動による強力なグリップと210mmの最低地上高により、整備されたオフロードで優れた性能を発揮するという。アルミホイールは、最大で21インチが装着できる。

「AR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ」をオプションで用意した。ナビゲーションの矢印を路面に投影し、ドライバーに進行方向を分かりやすく伝える。先進運転支援システム(ADAS)の「IQ.Drive」では、部分自動運転が可能な「トラベルアシスト」が利用できる。

200以上の「Electrify America」の充電ステーションを利用

フォルクスワーゲンは、このID.4を使って、アメリカ合衆国本土の全48州を横断する耐久テストを行う。米国は全50州だが、カナダを隔てたアラスカ州と、太平洋を隔てたハワイ州の2州を除いて、ID.4はアメリカ合衆国本土の全48州を横断する。

耐久テストは、米国バージニア州を出発し、反時計回りに米国48州を走行し、バージニア州に戻る予定だ。途中、600拠点を超えるフォルクスワーゲンディーラーを訪問する。また、200か所以上の「Electrify America」の充電ステーションを利用する。Electrify America は、全米に635を超える充電ステーションと2700以上のDC急速充電器を展開する米国最大規模のDC急速充電ネットワークだ。Electrify Americaは2021年末までに、合計800の充電ステーションと約3500のDC急速充電器を追加する予定だ。

ID.4は、ジート・ロウ氏とデレク・コリンズ氏がドライブする。ジート・ロウ氏は2005年から、世界のすべての大陸で合計17回、フォルクスワーゲン車による長距離耐久走行テストを実施してきた。

なお、フォルクスワーゲンは、ID.4 のバッテリーは、DC急速充電を利用すれば、80%の容量を充電するのに38分で済む、としている。

《森脇稔》

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