メルセデスベンツ EQS、航続は780km 年内欧州発売へ

0-100km/h加速4.3秒で最高速は210km/h

EQCよりも26%大容量化したバッテリー

全長5216mmの大型EVサルーンは前面空気抵抗を示すCd値0.20

ダッシュボード全面が「MBUXハイパースクリーン」に

メルセデスベンツ EQS
メルセデスベンツ EQS全 14 枚

メルセデスベンツは7月24日、新型EVの『EQS』(Mercedes-Benz EQS)を、2021年内に欧州市場で発売すると発表した。

写真:メルセデスベンツ EQS

「EQ」は、メルセデスベンツが立ち上げた電動車に特化したサブブランドだ。EQブランドの最初の市販車として登場したEVが、SUVの『EQC』。EQブランドの市販第2弾は、ミニバンの『Vクラス』ベースの『EQV』、第3弾は新型『GLA』がベースのEV『EQA』だ。

メルセデスEQ の第4弾となるEQSは、大型EVサルーンで、新型『Sクラス』のEVバージョンに位置付けられる。EQSは、ラグジュアリーカーおよびエグゼクティブセグメントのEVに、メルセデスベンツの新しい電動アーキテクチャの「EVA」を採用した最初のモデルになる。

0-100km/h加速4.3秒で最高速は210km/h

欧州での発売当初、「EQS 450 +」と「EQS 580 4MATIC +」の2グレードが設定される。2WD(後輪駆動)のEQS 450 +は、リアアクスルに電動パワートレインの「eATS」を搭載する。4WDの「4MATIC」となるEQS 580 4MATIC +では、フロントアクスルにもeATSがレイアウトされる。

EQS 450 +の場合、モーターは最大出力333hp、最大トルク57.9kgmを発生する。0~100km/h加速は6.2秒、最高速は210km/h(リミッター作動)だ。EQS 580 4MATIC +の場合、モーターは最大出力523hp、最大トルク87.2kgmを引き出す。0~100km/h加速は4.3秒、最高速は210km/h(リミッター作動)だ。WLTPサイクル)による100km走行あたりの電力消費量(複合モード)は、EQS 450 +が19.8~15.8kWh、EQS 580 4MATIC +が21.4~18.3kWhと発表されている。

EQCよりも26%大容量化したバッテリー

4MATICには、トルクシフト機能が付き、フロントアクスルとリアアクスルの間で駆動トルクをインテリジェントかつ継続的に配分する。機械式の4WDよりも、優れたレスポンスを可能にしているという。 回生ブレーキは、ステアリングホイールのパドルシフトによって、ドライバーが3段階で調整できる。

EQSは、騒音や振動などのNVH性能に対する高い要求を満たすという。ローター内の磁石は、最適なNVH対策を施した。eATSは、特殊なフォームマットで覆われている。インバーターのカバーは、3つの金属とプラスチックの層で作られたサンドイッチ構造とした。ホワイトボディには吸音フォーム素材を多く使用。テールゲートの2つの仕切りがノイズを低減するという。

EQSには、エネルギー密度を高めた新世代のバッテリーが搭載される。蓄電容量は107.8kWhとし、『EQC』よりも約26%容量を増やしているという。1回の充電での航続は、EQS 450 +が最大780km、EQS 580 4MATIC +が最大676km(いずれもWLTP計測)としている。

全長5216mmの大型EVサルーンは前面空気抵抗を示すCd値0.20

EQSは、新型SクラスのEV版の位置づけになるが、デザインの方向性は大きく異なる。「ワンボウライン」とファストバックのキャブフォワード設計によって、EQSはひと目で燃焼エンジン搭載車ではないことが分かることを目指したという。ボディサイズは全長5216mm、全幅1926mm、全高1512mm、ホイールベース3210mmとした。

新型Sクラスとの違いは、フロントのブラックパネルや、ヘッドライトとテールライトの専用デザインによって、さらに強調されている。EQSでは、メルセデスベンツのデザイン哲学「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」に、プログレッシブラグジュアリーを組み合わせた。この考え方が、彫刻的なボディパネルやシームレスなデザインに反映されている。

EQSは、EV専用プラットフォームをベースにすることで、各コンポーネントの配置と設計の自由度が高まった。EQSのパッケージングと人間工学の面で、効果を発揮しているという。滑らかなアンダーボディや閉じられたラジエーターシャッターなどにより、エアロダイナミクス性能を追求した。EQSは、前面空気抵抗を示すCd値が0.20を達成している。

ワンボウラインとは、ぴんと張ったルーフラインを指す。クーペのようなシルエットは、低くスリムなフロントマスクと組み合わせられた。これは、フレームレスのドアと、湾曲したベルトラインによって強調されているという。EQSは、キャブを前方に配置するキャブフォワード設計とした。Aピラーをできるだけ前に、Cピラーをできるだけ後ろに配置することにより、充分な室内スペースを追求した。オーバーハングとフロントエンドは短く、リアは滑らかに丸みを帯びている。

ダッシュボード全面が「MBUXハイパースクリーン」に

EQSは、メルセデスEQブランドの最上位モデルとなる。そのため、デザイナーはインテリアをデザインする際、まったく新しいアプローチを取り入れた。ダッシュボードの全幅に広がる「MBUXハイパースクリーン」に加えて、多くのデザイン要素をデジタル化している。

最近のメルセデスベンツ車に共通するタービン状の空調ダクトは、EQS専用にデザインされた。複雑に設計されたタービンブレードは、車内の空調の風量を効率的に配分するという。

センターコンソールの前側は、インストルメントパネルとつながっている。これは、新しいドライブアーキテクチャを視覚的に強調しているという。電動パワートレイン搭載により、トランスミッショントンネルは不要に。複雑な縫い目パターンを持つレザーを、ウッド製の大型カバーと組み合わせて、多くの収納スペースを実現している。なお、MBUXハイパースクリーンが未装備のベースモデルは、センターコンソールが専用デザインになる、としている。

《森脇稔》

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