ジャガーの名車「Cタイプ」、復刻モデルを発表…2022年に8台生産へ

1952年に革新的なディスクブレーキ技術を採用

ハンドビルドされる3.4リットル直列6気筒エンジン

塗装プロセスは完了するのに1週間

ジャガー Cタイプ・コンティニュエーション
ジャガー Cタイプ・コンティニュエーション全 20 枚

ジャガーカーズ(Jaguar Cars)は9月3~5日、英国で開催された「コンクール・オブ・エレガンス・ハンプトンコート宮殿」において、誕生70周年を迎えたジャガー「Cタイプ」の復刻モデル、『Cタイプ・コンティニュエーション』を初公開した。

1952年に革新的なディスクブレーキ技術を採用

ジャガーカーズは1951年、ジャガー『XK120』をベースにしたレーシングカー、Cタイプを開発した。3.4リットル直列6気筒ガソリンエンジンをチューブラーフレーム+オールアルミボディに搭載し、1951年と1953年のルマン24時間耐久レースで優勝し、ジャガーの名を世界に知らしめた。

Cタイプは1951年から1953年にかけて、53台が生産された。53台のうち、43台は個人向けに販売された。当時生産されたCタイプの市販モデルは、ツインSUキャブレター付きエンジンにドラムブレーキを組み合わせていた。

当時のモータースポーツにおいて革新的なディスクブレーキ技術を採用。ジャガーとダンロップによって開発されたディスクブレーキを装着したCタイプは、フランスのランスグランプリにおいて、スターリング・モスにディスクブレーキ搭載車初の勝利をもたらした。

ハンドビルドされる3.4リットル直列6気筒エンジン

ジャガーカーズは2022年、Cタイプ・コンティニュエーションを8台生産する予定だ。8台のCタイプ・コンティニュエーションには、1953年にルマン24時間耐久レースを制したワークスチームカーの仕様を反映させる。ウェーバー製のトリプルキャブレターを備えた3.4リットル直列6気筒ガソリンエンジンは、ハンドビルドされ、最大出力220hp/5800rpmを引き出す。トランスミッションは4速MT。ディスクブレーキも装備される。

これまでにジャガークラシックが手がけた『Eタイプ』、『XKSS』、『Dタイプ』のコンティニュエーションプログラムで得られたノウハウに基づいて、ジャガークラシックのエンジニアは、ジャガーのアーカイブとオリジナルのCタイプからスキャンしたデータを、最新のコンピューターシステムで解析した。これは、可能な限りオリジナルに忠実なCタイプを製作するためだという。

マルコム・セイヤー、コンペティションマネージャーのロフティ・イングランド、エンジニアのウィリアム・ヘインズ、ボビー・ナイト、ノーマン・デュイスなど、オリジナルのCタイプの開発チームによって作成された元の設計図とジャガーカーズが保有するアーカイブにアクセスすることにより、1953年のオリジナル仕様が正確に再現されるという。

塗装プロセスは完了するのに1週間

さらに、エンジニアリングCADデータを一歩進めて、ジャガークラシックは初めて、特別なオンラインコンフィギュレーターを使用して、仮想的にCタイプ・コンティニュエーションの実車イメージを確認する機会を顧客に提供する。この新しいツールを利用すると、顧客はCタイプ・コンティニュエーションに用意される12のエクステリアカラーと8つのインテリアカラーの中から、カラーとトリムオプションを比較したり、オプションのレーシングラウンド、ステアリングホイールバッジ、ボンネットバッジを装着した姿を確認したりすることができるという。

ボディカラーは、スエードグリーン、クリーム、パステルブルー、ブリティッシュレーシンググリーンなど、12色から選ぶことができる。最新の水性塗料を使用して、細心の注意を払った塗装プロセスは、完了するのに1週間かかるという。インテリアは、レザーシートのカラーが8色から選べる。オリジナルのルーカス製バックミラーやスミスの時計&ゲージ、15インチのブルーメル製ステアリングホイールを装備した。

Cタイプ・コンティニュエーションには、FIA(国際自動車連盟)公認のハーネスシステムやロールオーバープロテクションを用意した。これにより、ルマン、スパフランコルシャン、シルバーストンで開催される「ジャガークラシックチャレンジ」を含むレース選手権に参加する資格が得られる、としている。

《森脇稔》

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