撤退したはずのフォード 今でも正規並みのサービスで新車購入が可能という事実

撤退したはずのフォード 今でも正規並みのサービスで新車購入が可能という事実
撤退したはずのフォード 今でも正規並みのサービスで新車購入が可能という事実全 1 枚

フォードは第二次世界大戦前から日本で販売され、ノックダウン生産も実施されていた。1996年にはフォードエクスプローラーなどがヒットして、2万3000台以上を登録している。この売れ行きは、2021年のアウディよりも少し多い。

それが2010年以降は3000~5000台に下がり、フォードは2016年に日本市場から撤退した。1年間に3000~5000台の販売規模は、今のシトロエンなどと同等だ。キャデラックやシボレーは400~500台だから、フォードの販売実績は輸入車として極端に少ないわけではなかったが、フォードは撤退の判断を行った。

しかし今でもフォードを新車で購入できる。その販売店がフォード栃木だ。フォード栃木は、フォードジャパンが日本市場から撤退する2016年まで、フォードの正規ディーラーだった。撤退後もフォード認定サービスディーラーとして、フォードの新車販売(並行輸入)、中古車販売、車検・点検などを行っている。

フォードが日本市場から撤退しても、保有されている車両は多いから、ユーザーにとってメンテナンスは重要だ。フォード栃木によると「本国からのパーツ輸入も行っていて、各種の修理にも対応できる」という。また新型のエクスプローラー、マスタング、フォーカス、フィエスタ、モンデオを新車で購入できるメリットも大きい。

特に現行マスタングは、1964年に発売された初代モデルや1970年前後に生産されていた2代目に似たデザインだ。鋭角的なフロントマスク、ロングノーズ&ショートデッキの外観がとてもカッコイイ。価格は直列4気筒2.3Lエコブースト(ターボ)を搭載するコンバーチブルが680万円、V型8気筒5Lのファストバックは、最高出力が460馬力、最大トルクは57.9kg-mと強力ながら698万円だ。

アメリカ車が好きなユーザー、あるいは個性的なクルマに乗りたい人にとって、フォードは今でも注目度の高いブランドだろう。フォードの撤退は残念だが、今でも魅力的なクルマを購入できる。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る