いすゞトラックばかり---750を超える車両が登場

いすゞ エルフ(初代)
いすゞ エルフ(初代)全 5 枚

『いすゞ トラック図鑑 1924-1970』
編・著者:筒井幸彦 自動車史料保存委員会
発行:三樹書房
定価:4950円
ISBN978-4-89522-739-1

商用車メーカーとしてその存在が知られているいすゞ。そのトラックだけを集めた史料集が刊行。東京石川島造船所時代のウーズレーから、1970年代のモデルまでを網羅している。

いすゞの歴史を紐解く、即ちそれは日本の自動車メーカー史、あるいは日本の航空機製造会社史にまで広がっていく。それを語りつくすにはたった1冊の本では足りないのは想像の通りだ。

本書はもっと気楽にいすゞのトラックの歴史を紐解いたもの。戦前では石川島造船所のウーズレーを皮切りに、スミダなどを掲載。その時々の会社の情勢等も記されているので、簡単な歴史は把握できる。

そして、戦後では小型車、2トン、4トン、5トン、総輪駆動、8トン、10トン、TV系セミトラクタ・重ダンプに分類し、それぞれ年代ごとに各モデルを当時の写真をもとに解説。そこに写っているものは基本的に広報写真やカタログの類なので、当時のオリジナルの姿を見ることが出来るのは嬉しい限りだ。

トータル750を超える車両について、その特徴と主要スペックがまとめられているとともに、掲載車両一覧付きで見やすさにも配慮。巻末には、搭載された主要なエンジンのルーツと変遷をスペックと写真でまとめられている。

じっくりと読み込むのではなく、パラパラとページを捲っていくと、懐かしのボンネットトラックやキャブオーバートラックなどが目に付く。さらに、いまでも活躍している『エルフ』や『フォワード』などの初代が登場したり、また、消防車や医療車両が現れたりと、見ていて飽きが来ない。

また、小型の商用車にもページが割かれており、『ヒルマンエキスプレスバン』や、『ベレルエキスプレスバン』、『ベレットエキスプレスバン』なども紹介されており、他誌ではなかなか見ることのできない“街の商用車”を知ることが出来るのも本書の特徴のひとつである。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダ『CX-5』新型を欧州で発表…日本では2026年中に発売
  2. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  3. ジープ『コンパス』新型の写真公開! アウトドアファンの要望に応える新インテリア
  4. 新型ハーレー『ブレイクアウト』&『ローライダー ST』に、SNSでは「更にカッコ良くなってきた」「奥さんの説得頑張るか」など反響
  5. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る