水素カローラ出力アップ、タイムも飛躍的向上…スーパー耐久 第5戦

ORC ROOKIE Corolla H2 concept(水素カローラ)
ORC ROOKIE Corolla H2 concept(水素カローラ)全 26 枚

スーパー耐久シリーズ2021「Powered by Hankook 第5戦 SUZUKA S耐」が19日、鈴鹿サーキットで開催された。ST-Qクラスに参戦するトヨタ『水素カローラ』は出力アップに伴い、タイムも飛躍的に向上し無事にレースを完走した。

【画像全26枚】

スーパー耐久を走る水素カローラは、ROOKIE RACINGの32号車ORC ROOKIE Corolla H2 concept。水素を燃料にして燃料電池で走る電気自動車ではなく、ガソリンエンジンと同様に水素を燃焼させる内燃機関だ。いっぽうレースの「SUZUKA S耐」は、昨年はコロナの影響で開催されなかったため、2年ぶりの開催となった。

今シーズンST-Qクラス(主催者STOが認めたメーカー開発車両などが走るクラス)に参戦する、ROOKIE RACINGの32号車は、参戦3レース目にして、当初の目標から大幅にタイムアップを果たし、レーシングカーとして進化をし続けているのが実証された。

今シーズン第2戦の富士24時間レースで衝撃のデビューを果たし、満身創痍のボロボロの状態ながらも無事に完走を果たした。その頃は、ラップタイムもST-5クラス(1500cc以下の車両)のホンダ『フィット』やマツダ『デミオ』、『ロードスター』と争うようなタイムだったが、今回の第5戦では1つクラスが上のST-4クラス(1501cc~2000ccまでの車両)のトヨタ『86』と同等のタイムでレースを行っていた。

開発を担当するGAZOO Racing Company佐藤恒治プレジデントは、「開発は順調に進んでいる。当初のエンジン性能は市販車の『GRヤリス』から少し劣った性能だったが、今では同等の性能まで向上した」と、エンジンの出力が大幅に向上したことを語る。また給水素に関しても、「富士24時間では給水素に4分30秒程度かかっていたのが、今回は給水素を2系統に分けて左右両方から一気に給水素を行うことで2分程度まで短縮できるようになった」と、方法を変えることで時間短縮を果たしている。

実際には、鈴鹿サーキットの最終コーナーをピットレーンに向かい、ピットには入らずEパドックと呼ばれる駐車場まで走り、給水素してそこからピットに戻るため、ピット時間としては結構な時間を必要とするが、安全確保と言う意味合いではやむ得ない。しかしその移動時間は仕方ないとしても、給水素の部分では時間が短縮されたことで、走行時間も増えていると言う。

また参戦当初は、水素ゆえの早期着火=プレイグニッション(異常燃焼)が心配だったが、知見も増えたことで、今回ではあまり心配することがなかった。むしろ、普通のレーシングカーの開発と同じような、空力であったり、サスペンションやタイヤなどの調整での“会話”ができるレベルまで進化してきていると言う。

今回レース中盤でトラブルが発生し緊急ピットインがあったが、水素やエンジンなどのトラブルではなく、電気系で、一部の配線で電気が来なかったトラブルだった。それ以外は目立ったトラブルは起きずに90ラップで無事完走した。

またST-Qクラスは、賞典外として今までは表彰式が行われていなかったが、今回は、ST-Qクラスに参戦するドライバーが表彰台にのぼりトロフィを掲げた。

スーパー耐久は次回第6戦、11月13~14日の岡山国際サーキットでの3時間レースでシーズンを締めくくる。

《雪岡直樹》

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