【トヨタ カローラクロス 新型試乗】まさにカローラ、期待通りまとめられている…渡辺敏史

セリングポイントは全体容量の大きさとユーティリティの高さ

他のGA-Cプラットフォーム銘柄から一皮むけた乗り心地

カローラへの期待値そのままに軸ブレなくまとめられている

トヨタ カローラクロス(Z ハイブリッド)
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セダン、クーペ、ワゴン、ハッチバック、ピープルムーバー…と、時代ごとに『カローラ』は名前に縛られず様々な車型を用意してユーザーの求めに応じてきた。トヨタを代表するご長寿銘柄の秘密は、この厭わなさにもあるのだと思う。とあらば、このSUV的なカローラも出るべくして出たということになるのだろうか。

セリングポイントは全体容量の大きさとユーティリティの高さ

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豪州を除く四大陸で展開される世界戦略車となる『カローラクロス』のサイズは全長4490×全幅1825×全高1620mm、ホイールベースは2640mmとなる。車格的には意外にも同門の『C-HR』にほど近い。他にマツダ『CX-30』やスバル『XV』辺りもその範疇に入るだろう。

が、それらに比べてカローラクロスは全高が高めの設定で、これによって力感豊かなルックスと室内の開放感を生み出している。更に、この室内高を活かしてアップライトな着座位置を採り、C-HRと同じ2640mmのホイールベースながら後席の広さ感をしっかりと高めている。

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シートを倒せば最長1885mmの荷室が展開、畳んだ後席のシートバックと荷室の凸凹を埋めるように設えられたオプションのストレージボックスを装着すれば、フラットな床面での車中泊も可能となるなど、全体容量の大きさやユーティリティの高さはこのクルマのセリングポイントだ。

内装はダッシュアッパーやドアトリムなど、樹脂ものの質感は今ひとつ冴えないが、この車格にしてライズや『ヤリスクロス』にも接近した200万円を切る値札が下げられていることを鑑みれば致し方ないところだろうか。但し、大きなハザードボタンやクライメートコントロール、アナログなシフトレバーなどが操作しやすいところに据えられている点は、カローラ銘柄らしい安心材料だと思う。

他のGA-Cプラットフォーム銘柄に比べて一皮むけた乗り心地

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パワー&ドライブトレインは2種類が用意され、ガソリンの側は140psを発揮する1.8リットルの2ZR-FAEを搭載、CVTと組み合わせられる。そしてハイブリッドは1.8リットルの2ZR-FXEにモーターを組み合わせたTHS IIを採用と、この辺りは他のカローラシリーズと変わらない。4WDはハイブリッドのみの設定となり、リアアクスルにモーターを配したE-Fourとなる。クルマの性格から推するに、よりアクティブな機械式4WDの設定があってもよかったのではないだろうか。

ガソリンで1330kg~、ハイブリッドで1380kg~という車重は車格からみるに決して重たいものではないが、いかにも空気抵抗の大きそうな形状が災いしてか動力性能は至って中庸。加速時の回転上昇もやや大きく、無段変速のいわゆるビジー感は拭いきれない印象だ。でもメカニカルノイズは低く、耳障りな侵入音もよく抑えられているのが有り難い。

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試乗していて感心したのは全体のノイズレベルの低さに加えて、他のGA-Cプラットフォーム銘柄に比べると明らかに一皮むけた乗り心地だ。18インチを履く最上位グレードはミシュラン・プライマシー4を装着と、それによる上乗せ分も無視できないが、間違いなく寄与しているのが世代更新した新設計のトーションビーム型リアサスで、大容量ブッシュを採用することにより不快な突き上げやそれに伴うアタック音などをしっかり封じている。E-Fourのリアにはダブルウイッシュボーンの独立サスが与えられるが、恐らくはそれに比するくらいのフラットライドに仕上がっているだろう。

カローラへの期待値そのままに軸ブレなくまとめられている

デザインや走りといった嗜好的な面で尖った魅力はないが全方位でそつなくまとまりつつ、使い勝手と快適性はしっかりライバル以上を押さえてくる。まさにトヨタのカローラへの期待値そのままに軸ブレなくまとめられていることに、嫌味ではなく感心させられた。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

渡辺敏史|自動車ジャーナリスト
1967年福岡生まれ。自動車雑誌やバイク雑誌の編集に携わった後、フリーランスとして独立。専門誌、ウェブを問わず、様々な視点からクルマの魅力を発信し続ける。著書に『カーなべ』(CG BOOK・上下巻)。

《渡辺敏史》

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