大きくて、力強くて、エレガント…テールフィンの時代

キャデラック・フリードウッド
キャデラック・フリードウッド全 5 枚

『テールフィン時代のアメリカ車[増補二訂版]』
編者:GP企画センター
発行:グランプリ出版
定価:2640円
ISBN978-4-87687-387-6

強烈な個性で一時代を築き、いまなお熱狂的なファンを持つテールフィンのクルマ達。その時代の自動車界について詳細にまとめた珍しい書籍が発行された。

1950年代のアメリカ車のデザインにおいて、最大の特徴はテールフィンだといっても過言ではないだろう。本書ではそのデザインが生み出された、ハーリー・アールをはじめとしたGMのスタイリング部門を筆頭に、フォードやクライスラーのスタイリング部門の変遷などが記されている。同時にこの時代はパワー競争をはじめ、イージードライブが進化したことでも知られている。例えばATやパワーステアリングなどだ。そういった技術の進化などにも触れられているほか、ビッグ3以外のスチュードベーカーやパッカードをはじめとしたメーカーの盛衰なども語られている。

つまり、単なるテールフィンのクルマを集めた図鑑ではなく、その時代における自動車とはどういう位置付けだったのかが、広く網羅されているので、その当時、テールフィンの時代のアメリカ車はどういうクルマだったのか、どうやってスタイリングされていたのかなどを知ることが出来るのだ。

さらに巻頭には1948年にキャデラック『フリードウッド』シリーズに初めてテールフィンが登場して以降、1962年までの期間でどのようなテールフィンを纏ったクルマたちが存在したのか。当時のカタログをもとに32ページにわたり掲載されている。スタイリングはもとより、ボディカラー、ファッションなども見て取れるのは興味深い。

『テールフィン時代のアメリカ車』『テールフィン時代のアメリカ車』なお本書は、“テールフィン時代のアメリカ車”(2001年7月25日初版発行)の内容を再検討して大きく修正を加え、巻頭カラー口絵を追加収録し、大幅に改訂を加えた増補二訂版である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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