国土交通省四国運輸局は9月29日、愛媛県の伊予鉄道が申請していた鉄・軌道線全線の旅客運賃上限変更を認可したと発表した。
伊予鉄道は、高浜~松山市間の高浜線、松山市~横河原間の横河原線、松山市~郡中港間の郡中線からなる鉄道線と、道後温泉駅(愛媛県松山市)を起点とする城南線などの軌道線からなる合計43.5kmの路線を持つ。
同社の鉄軌道部門における2020年度の収支(推定)は、2019年度から一転して赤字になっているが、運賃改定により2021~2023年度の合計ではわずかながら黒字に転換できると推定されており、引き続き設備投資や老朽化施設の修繕、バリアフリー化に取り組むとして、6月29日付けで平均改定率3.6%の改定を申請していた。
実施予定日は12月1日で、同社の運賃改定は消費税転嫁によるものを除けば、1994年以来27年ぶりになるという。改定後は、鉄道線の普通運賃が各営業キロ帯で現行より10円ずつ値上げされ、最低運賃は180円に。定期運賃は通勤1カ月が2.4~9.5%、通学1カ月(大人)が2.3~9.5%の改定率となる。
現行で170円均一となっている軌道線の普通旅客運賃も10円アップの180円となり、同じく均一制となっている定期運賃は、通勤1カ月が120円アップの7130円、通学1カ月(大人)が100円アップの5190円となる。