モノラルアンプで作り上げる究極のシステム…ビーウィズ[外部パワーアンプ]

ビーウィズ・P-1R
ビーウィズ・P-1R全 4 枚

「外部パワーアンプ」を用いると、愛車のサウンドシステムを本格化させられる。当特集では、そうである理由から実践方法までを紹介してきた。今回はその最終回として、高性能な「モノラルパワーアンプ」を使って構築する「マルチアンプシステム」について解説していく。

「マルチアンプシステム」にもさまざまなスタイルがある。そして、音にこだわるなら…。

ここまで何度か、「パワーアンプ」の1chずつをスピーカーユニットの1つ1つにあてがう「マルチアンプシステム」について説明してきた。これには利点が多々あるので、カーオーディオ愛好家の多くに採用されている。

なお実は、「マルチアンプシステム」にもさまざまな形があり得ている。メインユニットの内蔵パワーアンプでも構築でき、または「パワーアンプ内蔵DSP」にて実践しても良い。しかし、強力な「マルチアンプシステム」を組み上げようと思ったら、「外部パワーアンプ」を活用するのが最善手となる。

そして「外部パワーアンプ」で「マルチアンプシステム」を組む場合にも、やり方がさまざまある。「外部パワーアンプ」にもいろいろなタイプがあるからだ。システムを合理的に完成させたいと思ったら5ch以上の「多chパワーアンプ」を使うという手があり、ツイーターとミッドウーファーにタイプの異なる「2chパワーアンプ」を使うという方法もある。そしてもちろん「4chパワーアンプ」1台でフロントスピーカーの「マルチアンプシステム」化を完結させても良い。

さらに、もう1つ別の方法がある。それは、「モノラルパワーアンプ」を使うという作戦だ。

ちなみに、サブウーファー用ではないフルレンジタイプの「モノラルパワーアンプ」は、ハイグレードモデルである場合が多い。こだわりのシステムである「マルチアンプシステム」にて使われることを想定して設計されているケースがほとんどだからだ。結果、「モノラルパワーアンプ」にて「マルチアンプシステム」を構築すると、より音にこだわったシステムを構築しやすくなる。

なお「モノラルパワーアンプ」で「マルチアンプシステム」を組むと、他では得られない特別なメリットも手にできる。それは「チャンネルセパレーションの良化」だ。「外部パワーアンプ」の各chが別体化するので、ch間での信号の干渉がぐっと少なくなるのだ。

ビーウィズ・P-1R

ビーウィズの製品を用いると、特別な「マルチアンプシステム」を構築可能!

ところで、国産ハイエンドカーオーディオブランドのビーウィズは、かなり以前から「モノラルパワーアンプ」を開発してきた。「モノラルパワーアンプ」なら、パッシブクロスオーバーネットワークを用いるシステムの構築においても左右のchセパレーションを上げられ、「マルチアンプシステム」を組む場合にも利点を発揮するからだ。

ちなみにビーウィズがラインナップしている「パワーアンプ」の現行モデルは2ラインあり、それらはともに「モノラルパワーアンプ」だ。1つが『P-1R』(税抜価格:18万円)で、もう1つが『P-100 シリーズ』だ(基本モデルの税抜価格は7万円)。なお『P-100 シリーズ』には、ボディカラーや細かな仕様が異なるモデルがいくつか用意されている。

定格出力は前者が100W(4Ω)で後者が75W(4Ω)だ。そしてサイズは前者がW230xD80xH43 (mm)で、後者がW187xD80xH43(mm)だ。ともにコンパクトなので、「マルチアンプシステム」を組むために4台とか6台とか使用台数が多くなっても、インストールスペースをそれほど多くは必要としない。

なお両ラインとも、ボディに音響専用マグネシウム合金“MAGNEOLA”(マグネオラ)が使われている。いわば、筐体を構成する素材にも“音に効く”ものがおごられているのだ。また新日本無線との共同開発によるオリジナルオペアンプ「BSZ1」を用いるなど、パーツ選定と回路設計にふんだんにこだわりが注入されている。

また、独自の低発熱・低消費電力技術によって放熱フィン(ヒートシンク)を排せていることもあり、結果、スタイリッシュなルックスも実現できている。

ビーウィズ・STATE A6R シリーズ

ビーウィズは、プロセッサーにもモノラルタイプを用意!

そしてビーウィズはなんと、プロセッサーにもモノラルモデルを用意している。それを用いれば、まさしく究極の「マルチアンプシステム」を完成できる。信号制御の段階から各chの音楽信号を完全に独立化できるので、chセパレーションが一層良化する。

ただし、これを実践するには潤沢な予算が必要となる。というのも、モノラル化されているプロセッサー『STATE A6R kishi model MONO』は、『STATE A6R シリーズ』の基本モデルである『STATE A6R kishi model』(税抜価格:50万円)が6台連結されて完成されているからだ。ゆえに“超”が付くほどのハイエンドモデルとなっている。当機の税抜価格はなんと、300万円。ここまでの高級プロセッサーは、当機をおいて他にない。

そして性能も図抜けて高い。単体で使っても高性能な基本モデルが連結されることにより、各機能がかけ算で高性能化するからだ。例えば、イコライザーのバンド数は、ベーシックモデルでは1chあたり15バンドであるのに対し、『STATE A6R kishi model MONO』ではchあたり90バンドまでに増える。

なお、左右chでプロセッサーを別体化できる『STATE A6R kishi model DUAL』(税抜価格:100万円)も用意されている。当機を用いれば、左右のchセパレーションを上げられる。また、各機能も単体モデルと比べてぐっと高性能化している。当機も超ハイエンドモデルであるのでおいそれと手を出せるものではないのだが、『STATE A6R kishi model MONO』と比べればまだ現実的な価格だ。いつかは使いたいモデルの1つとして、頭に入れておいてはいかがだろうか。

もしも人とは違う高度な「マルチアンプシステム」を構築したいと思うなら、ビーウィズの各製品にも、要注目。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

「モノラルアンプ」で作り上げる究極のシステムとは?「外部パワーアンプ」、貴方ならどう使う? Part10「ビーウィズ」編

《太田祥三》

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