【BMW 4シリーズカブリオレ 新型試乗】ラグジュアリーカーとして非の打ちどころがない…島崎七生人

BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)
BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)全 13 枚

BMW『4シリーズ』の現行モデルはその2世代目で、先代の“F3x”から“G2x”へとモデルコードが進んだ。“F”も“G”も末尾の“2”がクーペ、“3”がカブリオレ、“6”がグランクーペと法則は共通で、したがって最新のカブリオレは“G23”ということになる。

トラディショナルなソフトトップの出来栄えは

BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)“G23”型の最新カブリオレの日本市場での発表は今年2月。最初に登場したクーペの、いわば“屋根ナシ版”だが、新型ではまさしく先代のリトラクタブルハードトップではなくなり、トラディショナルなキャンバス製のソフトトップに変わったのが大きな違いだ。

閉じた状態から約18秒で開けられるというこのソフトトップだが、実車をしばし観察すると、もう昔のコウモリ傘のようだったトップとは異次元の出来栄えで、布地を巧みに3次元で捻りながらテンションをかけるなどして、いささかもカクカクしていない実に滑らかで美しいアーチ状のシルエットに仕上げられている。

非の打ちどころのないインテリアの仕上げ

BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)インテリアはカブリオレの場合、それこそ全開で外から見られる場所にもなる訳だが、BMWのクオリティとデザインは、そうした時にも非の打ちどころのない仕上げレベルを見せる。乗車定員は4名で後席はやや中央に寄せた配置の2名分のスペースが用意される。念のため、トップをしめた状態で座ってみたが、少し起こされた背もたれながら、大人でも短時間であれば実用になるスペースが確保されている。

スペースといえばトランクについては、トップ格納のメカとスペースが確保された上で、写真のような、手前のスペースと、低く奥に向かったスペースが組み合わせられた空間となっている。よほど大荷物を運ぶような機会でなければ通用するはずだ。BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)

オープンとクローズドでほとんど差がない乗り心地

そして走りである。試乗車はカブリオレの中でもフラッグシップに位置付けられるいわゆる“Mモデル”の「M440i xDrive Cabriolet」で、285kW/51.0kgmの性能の3リットルの直6ツインパワーターボを搭載。これに4輪駆動システム、Mアダプティブサスペンション、Mディファレンシャルなどが組み合わせられる。

わかりやすいスペックでいうと0-100km/h加速は4.9秒(ヨーロッパ仕様値)というから、まあ性能で不満があろうはずはない。実際に走らせると、アクセルワークにあくまでも従順で、ということは深く踏み込めば、場所や天候に関わらず手応えの絶大な加速、走りがいつでも堪能できる。

が、筆者にはそれよりも、徹頭徹尾クールなまでにフラットライドを味わわせてくれること、スカットルシェイクをまったく感じさせない(今やそんなものはない?)ボディの剛性感が素晴らしいと思った。オープンとクローズドでほとんど差がない乗り心地にも目を見張る。現代的なADAS関連の機能も当然充実しているし、(繰り返しになるが)非の打ちどころのないラグジュアリーカーだ。

BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)BMW 4シリーズカブリオレ(M440i xDrive Cabriolet)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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