京王線事件「ホームドアと車両ドアがずれても開放を基本に」 国交相

京王線国領駅(10月31日)
京王線国領駅(10月31日)全 4 枚

斉藤鉄夫国土交通大臣は11月5日に開かれた定例会見で、10月31日に発生した京王電鉄(京王)京王線傷害事件の再発防止策について記者の質問に答えた。

この事件では、上り特急車内の複数の乗客が非常通報装置を押したが、車掌が状況を把握し切れないまま乗客が非常用のドアコックを操作したため、通過駅だった国領(こくりょう)駅(東京都調布市)に緊急停車。その際、所定位置より2mほど手前に停車したため、ホームドアと車両側ドアの位置がずれてしまい、車掌が転落の危険を考慮してドアを開かなかった。乗客は開閉可能な窓から脱出せざるを得なくなり、大混乱となった。

本来、安全のために備えられた装置が仇になる結果となってしまったため、11月2日にはJRや大手私鉄など32の鉄道事業者の安全統括管理者との間でウェブ会議が開かれ、京王から対策の状況を含めて報告があったという。

その上で、各社との意見交換を踏まえ、斉藤大臣は「緊急時においては、1つは複数の非常通報装置が押された場合は、通話ができない状況でも緊急事態と認識し、当該列車を適切な箇所に速やかに停車させるなど、緊急対応することを基本とすること」「ホームドアと列車のドアがずれている場合の対応としては、双方の扉を開け、乗客を安全に誘導・救出することを基本とすること」を指示したという。

ただし、ホームドアについてはケースバイケースであり、転落の危険性がある場合や、窓から脱出しかけた乗客がホームドアに足を掛けている場合には現場の判断で適切に対応することとし、具体的な運用方針を定めることを指示したという。

斉藤大臣は今後、各鉄道事業者の再発防止策に関する報告を踏まえ、さらなる対応策を取りまとめるとしており「1つは各事業者の間で情報共有をしっかりできるように、また、技術的なアドバイス等がまずは基本ですが、そのほか、これから安全を高めていくためにいろいろな施策を行わなくてはいけないときに、それをどういう形で支援していくか、財政的な面も含めて、そういうことも今後検討していきたいと思っています」と述べた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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