【ベンガルール通信 その11】インドのキャッチコピー “Incredible India”のビジネス事例

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南インドよりナマスカーラ!

数か月に渡る一連のお祭りがクライマックスを迎えた10月下旬の金曜日、有名俳優の訃報が突如、舞い込んできた。かつてCovid禍に伴うロックダウンの際も、毎度、この手の緊急連絡網としてはWhatsAppのグループチャットが最も有効に機能する。今回も日頃やりとりしている仕事仲間とのチャットやパパ友・ママ友グループなどが急に活性化して、否が応でも「何かが起きた」と気付かされる。議会の勢力争いによる政変や知事の去就が注目された際、組合活動に起因する労働者の一斉デモが予定される際など、特に人々の日常生活や行動に影響を及ぼす突発事象が発生した時、「このエリアには近づかないように」とか「何時以降の外出は控えて」といった警告が即座に飛び交う。これに応じて、従業員を帰したり、アポをリスケしたり、学校の終了が繰り上げられたり、といった何らかの行動変容が求められるのが一般だ。

確かに朝の時点でいつものようにニュースを開いた際、有名 (らしい) 俳優が危篤状態で近所の病院に運び込まれた、という一報は目にしていた。特に芸能情報に疎いこともあり題字だけ見て記事は開かず、「若いのに気の毒に」くらいにしか思っていなかった。が、暫くしてWhatsAppが鳴り始めて一大事 (らしい) ことに気付かされる。入院の後、亡くなった病院が日々の生活圏内にあることもあって、「この道路は使わないように」と直接、警告をくれる友人もいたが、正直なところその時点では、俳優が死んだくらいで大袈裟な (失礼)、程度の認識だった。

ところが時間が経つに連れ、どうやらかなりのオオゴトであることが伝わってくる。病院周辺にファンが殺到して交通規制が敷かれる、というくらいであれば驚かないが、街中には一斉に警察官が現れて交差点には規制線が張られ、オフィスや商店を周って閉鎖・閉店を促している。近所の競技場が遺体安置所、兼、お別れ会場になる、という情報が入った頃には、道路も閑散としていてパトカーが行き交っている状態。金曜夕刻のこの時点で、日曜日いっぱいまでの “Liquor Ban” も宣言され、週末いっぱい飲食店での酒類提供が禁止、酒屋も当然に閉店となった。何かとお世話になっている取引先のおじさんのWhatsAppのプロフィール写真が見慣れない写真に変わっていると思ったら、亡くなった俳優に差し替えられていた。

翌朝、いつもは聞こえるエンジン音やクラクションに変わって、何やら多くの人が行き交う雑踏を感じて外に出てみると、競技場に続く道沿いに大きな人の流れが出来ていた。警戒は続いているものの、飲みきりサイズのウィスキーの空きパックがそこかしこに投げ捨てられ、“出来上って” 道端に座り込んだり寝転んだりしている輩もいる。その後、半日ほどして買い物がてら街の様子を見回ってみると、街道沿いや交差点には大きな看板が立てられ、商店の軒先にはポスターが張られ、至るところに彼の顔写真が追悼メッセージや豪華な花と共に飾られていた。一夜にしてこれだけ街の様相を変える有名俳優の影響力、初めて目の当たりにした。

《大和 倫之》

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