【VW Tクロス 新型試乗】必要にして十二分な、輸入SUVナンバー1…島崎七生人

VW Tクロス(T-Cross TSI Style)
VW Tクロス(T-Cross TSI Style)全 11 枚

すでに確定しているデータでいうと、2021年上半期の輸入車SUVカテゴリー中、『Tクロス』(T-Cross)は登録台数ナンバー1だった。“たられば”ながら、その勢いが下半期まで続けば、2020年に続き2年連続の首位ということになる。なかなかの人気ぶりだ。

【画像全11枚】

気負わず接することができる中間グレード「Style」

たしかに街中でも『Tクロス』をしばしば見かける。それも平日の路上やスーパーマーケットの駐車場で、オーナーが颯爽と乗りこなしているところをよく見る。決してガレージや駐車場で眠らせておくのではなく、日常的にガンガンと使いこなしてこそ『Tクロス』の真価が発揮されるのだと思うが、どうやらほとんどのオーナーは“らしい”乗りこなし方をしているようだ。

試乗車は中間グレードの「Style」、ベースグレードの「Active」に対しプラスされる装備・機能は、17インチタイヤ&ホイール、ACC、インテリアアンビエントライト、スポーツコンフォートシート、シルバールーフレールの5項目。試乗車はさらにDiscover Pro、セーフティ、テクノロジーの各オプションパッケージも装着された状態。スモーキーグレーメタリックのボディ色は落ち着いた色で、気負わず接することができる。筆者的には、ルーフレールが黒でタイヤ&ホイールが16インチになる、よりスノッブなActiveにも惹かれるところだが……。

必要にして十二分なクルマ

ともあれ走らせてみると、相変わらず「乗りやすいクルマだ」と感じた。搭載エンジンは3気筒の1リットルターボで、これに7速DSGが組み合わせられ、Start/Stop、ブレーキエネルギー回生の各システムも備わる。そこでエンジン始動は極めて静かで、走り始めからスムースなドライバビリティは走行中にも持続。際立って高級感がある……ということではないが、カジュアルな快適さが味わえる、そんなVWらしい走りっぷりなのが持ち味だ。

小回りが効く(最小回転半径は5.1m)し、視界がよく車両感覚も掴みやすいから、実に扱いやすい。外形はコンパクトだが室内は必要的な広さで、とくに後席(140mmのスライドも効く)スペースのゆとりはファミリーユースでも不満はないはずだ。深さが変えられるラゲッジスペースの利便性も高い。

安全・運転支援機能も今どきのクルマらしく充実。燃費も以前の試乗で良好であることを確認済み(“R-Line”で18.3km/リットルだった。WLTCモードは16.9km/リットル)。必要にして十二分なクルマ、だと思う。 

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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