日立アステモで不正検査発覚、1000万点以上[新聞ウォッチ]

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またしても日本のものづくりの信頼を失わせるような不祥事が明らかになった。日立製作所子会社でホンダも出資している自動車部品メーカー、日立Astemo(アステモ)が、検査の未実施やデータの改ざんなどの不正があったと発表した。

きょうの各紙も1面などで大きく報じているが、不正は2000年ごろから今年10月まで約20年間も続いていたそうで、数値を改ざんしたり、抜き取り検査を実施しなかったりなど悪質なケースが目立ち、その数が半端ない。例えば、山梨工場で製造するブレーキ部品関連が約5万7000件、福島工場ではサスペンション部品の約1000万点で不正を確認したという。

コロナ禍の影響で工場の監査も順調に進まなかったとはいえ、日立アステモでは安全性の確認を優先したことを理由として社員からの情報提供を受けてからも、公表までに約1年もかかっていたというほどで、危機意識の欠如も問われる。日立グループでは検査不正が相次いでおり、これまでにも2018年に日立化成(現・昭和電工マテリアルズ)、2020年4月に日立金属で検査データの改ざんなどが発覚している。

今回、不正のあった製品については「安全性や性能に問題はない」と説明しているものの、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、スズキ、マツダ、SUBARU(スバル)、ダイハツ工業など自動車や二輪車メーカーなど16社に納入。現時点でトラブルは報告されていないという。

今年に入ってからも、三菱電機が鉄道関連の空調製品などの不正検査などが発覚。製造現場ではないが、トヨタ自動車系列の販売店では不正車検も明らかになった。日本を代表する大手企業での不祥事やトラブルは後を絶たず、「愚直さ」や「勤勉」が誇りでもあったメイド・イン・ジャパンへの信頼が揺らいでいるのは残念で情けない。

2021年12月23日付

●日立子会社が不正検査、一部20年以上、車部品延べ1000万本超え(読売・1面)

インサイト来年販売終了、プリウスと「HV戦争」(読売・8面)

●日産、再生エネ電力販売検討(朝日・11面)

●車ちょい乗り定額サービス月5000円で何度でも、KDDIが合弁(朝日・11面)

ガソリン価格高値水準続く、165円10銭(毎日・7面)

●リニア開業「めど立たず」JR東海社長(東京・3面)

●EV電池リサイクル拡大、日産・住商、自治体や家庭向け(日経・17面)

●「風頼み」の巨額買収ENEOSHD、再生エネ拡大急務(日経・19面)

●東京五輪経費1.4兆円、コロナ対策など1910億円圧縮(日経・42面)

《福田俊之》

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