マツダの強みを生かした次世代車とは…想像東京モーターショー2021

マツダ RX-VISION(東京モーターショー2015)
マツダ RX-VISION(東京モーターショー2015)全 15 枚

レスポンス編集部が行った「想像してください…東京モーターショー2021出品車」というアンケートに、さまざまなアイデアが寄せられた。このうちマツダ車に関するものをいくつかピックアップする。

【画像全15枚】

多くの人が考えるマツダ車はやはりロータリーエンジンははずせないようだ。『RX-8』のプラグインハイブリッド(新型の『RX-9 PHV』)や2015年の東京モーターショーで披露された『RX-VISION』の水素ロータリーエンジン版、さらには『RX-7』を現在に作り直した新型RX-7(新開発するガソリンロータリーエンジン搭載)というアイデアもあった。

マツダ RX-8(2011年)マツダ RX-8(2011年)

ロータリーエンジンの特徴は、爆発エネルギーをそのまま軸の回転運動に転換する効率の良さにある。同じ排気量でも軸出力をあげることができ、小型・軽量化にも貢献する(スポーツモデルは重要な要素)。機構部品も少なく単純になるため振動や騒音などもレシプロエンジンより小さくできる。当然その分のエネルギーロスも減る。

半面、燃焼室の形状が特殊になり燃費が悪くなる欠点もある。燃焼室の温度管理も難しくなり環境性能対策もレシプロエンジンとは別のアプローチが必要になる。エンジン内部のローターが直接ギア(軸)を回転させるため低回転時のトルクが出しにくいという欠点もある。

燃費や環境性能は、このご時世ないがしろにできない要件なので、ハイブリッドや水素燃焼といったアイデアにつながっているようだ。

だが、中にはロータリーエンジンにこだわらないSKYACTIVエンジンのコンセプトカーというアイデアもあった。マツダがカーボンニュートラルへのアプローチとして採用している「マルチソリューション」のひとつがSKYAVTIV-D(ディーゼル)、SKYACTIV-G(ガソリン)だ。これを進化させ「MX」ブランドのひとつにするというもの。

マツダ(東京モーターショー2019)マツダ(東京モーターショー2019)

どれも興味深いアイデアで、仮に実現したとしたら展示車両がどんな形になるのか考えるのも楽しいクルマばかりだ。モーターショーの役割のひとつは、消費者に新しい未来や夢を提供することである。しかし、マツダにそれだけロータリーエンジンやRX-7の復活を期待する声が大きいのは、それだけいまの時代では厳しい存在に置かれていると状況の裏返しでもある。存続が難しいからこそ残ってほしいという願望も膨らむ。

合理的に考えれば、ロータリーエンジンを車両向けに存続させるなら、日産やホンダが採用するシリーズハイブリッド方式が有望だ。ロータリーエンジンの弱点である低速トルク、燃費・環境性能の問題は、エンジンを発電専用にすることでほぼ解決できる。小型で高速・定常回転しても振動や騒音も最小限。さらにエンジンとしては高回転での定常運転がもっとも効率がよく、発電機はエンジン用途としては理想的である。どうしても動力に使いたいなら、ホンダの「e:HEV」のように高速走行時の直結機構を設ける方法も残されている。

別のスキームもある。ピュアロータリーエンジンを残すために積極的にEVを作るという戦略だ。主力をEVにシフトしてCAFE規制のペナルティを回避し、カーボンクレジットの利益で内燃機関車の製造を維持する。なんなら、ペナルティの分をあえて価格転嫁させるプレミアムカーを目指す。EVが当たり前になれば、中東の富豪などはペナルティを払って維持する内燃機関(それもRX-7のような伝説を持つクルマ)がステータスになっているかもしれない。

RX-7(初代、1978年~)RX-7(初代、1978年~)

想像東京モーターショー2021
●トヨタの展示予想が意外にリアル
https://response.jp/article/2021/12/29/352734.html
●日産の次世代EVはLMW方式で二輪感覚?
https://response.jp/article/2021/12/30/352744.html
●ホンダ S2000&NSX、復活の期待が熱い
https://response.jp/article/2021/12/30/352750.html

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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