スバル『レオーネ』を900馬力に…パストラーナ選手のビデオ最新作に起用へ

1983年製スバル GL(日本名:2代目 レオーネ・ツーリングワゴン)ベースのワンオフモデルとトラビス・パストラーナ選手
1983年製スバル GL(日本名:2代目 レオーネ・ツーリングワゴン)ベースのワンオフモデルとトラビス・パストラーナ選手全 10 枚

SUBARU(スバル)の米国モータースポーツ部門のスバルモータースポーツUSAは1月20日、『ジムカーナ』ビデオシリーズに出演するトラビス・パストラーナ選手のために、1983年製の2代目『レオーネ・ツーリングワゴン』をベースに専用モデルを製作した、と発表した。

◆「ツーリングワゴン」の名称をスバルが初めて使用

2代目レオーネ・ツーリングワゴンは、現在の『レガシィ・ツーリングワゴン』の原点ともいえるモデルだ。「ツーリングワゴン」の名称を、スバルが初めて使用したのは、この2代目『レオーネ』だった。

レオーネ・ツーリングワゴンは、スバル初の乗用ステーションワゴンとして、1981年に2代目レオーネに追加設定された。現在、スバルの中核技術となっているボクサーエンジン+AWDを、すでにこの当時に採用していた。

パストラーナ選手のためのワンオフモデルのベースとなった北米仕様の「GL」には、排気量1781ccのEA81型水平対向4気筒ガソリンエンジンを搭載。最大出力は73hp/4800rpm、最大トルクは13kgm/2800rpmを獲得していた。

1983年製スバル GL(日本名:2代目 レオーネ・ツーリングワゴン)ベースのワンオフモデル1983年製スバル GL(日本名:2代目 レオーネ・ツーリングワゴン)ベースのワンオフモデル

◆専用モデルは拡幅されたフェンダーやエアロパーツが特長

『ジムカーナ』ビデオシリーズの最新作では、トラビス・パストラーナ選手が、この2代目レオーネ・ツーリングワゴンがベースの専用モデルを操る予定。EA81型水平対向4気筒ガソリンエンジンのチューニングの内容は公表されていないが、最大出力は900hpレベルを発生する。ベースエンジンの12倍以上のパワーを達成することになる。

また、このスペックは、前回パストラーナ選手が『Gymkhana 2020』で操った『WRX STI』のワンオフモデルの最大出力862hpを上回る数値。このエンジンは、競技仕様となっており、スバルモータースポーツUSAチームのラリークロスプログラム向けをベースにカスタムビルトされたブロックとヘッドが使用され、排気量は2.3リットルとなっていた。

さらに、2代目レオーネ・ツーリングワゴンのワンオフモデルでは、迫力のエクステリアを採用する。前後フェンダーは拡幅されており、フェンダーとつながるサイドスカートを装備した。フロントバンパーとボンネットも専用デザインだ。リアには、アグレッシブなディフューザーを追加。ヨコハマ製のタイヤに、ゴールド仕上げのアルミホイールを組み合わせる。室内には、ロールケージが組み込まれた。

1983年製スバル GL(日本名:2代目 レオーネ・ツーリングワゴン)ベースのワンオフモデル1983年製スバル GL(日本名:2代目 レオーネ・ツーリングワゴン)ベースのワンオフモデル

◆前作『Gymkhana 2020』は再生回数4600万回超え

「フーニガン」(Hoonigan)が制作する『ジムカーナ』ビデオシリーズはこれまで、ラリードライバーのケン・ブロック選手を起用し、神業ともいえるドライビングテクニックを披露してきた。スバルとフーニガンは2020年5月、スバルモータースポーツUSAのドライバー、トラビス・パストラーナ選手が、『ジムカーナ』シリーズを引き継ぐと発表。そして2020年12月、パストラーナ選手を起用した『Gymkhana 2020』が公開され、再生回数4600万回超えを記録した。

トラビス・パストラーナ選手は1983年、米国で生まれた。もともと、2輪のフリースタイルモトクロスの選手だったが、1999年に米国の人気スポーツ番組『X-GAMES』で金メダルを獲得し、一躍有名になった。

2003年から4輪ラリー活動をスタートさせ、2006年にスバルラリーチームUSAに加入した。2008年には、ラリーアメリカで3度目のドライバーズタイトルを決めるなど、現在もスバルモータースポーツUSAで活躍中。命知らずのチャレンジャーとしても知られ、2輪による宙返りなど、さまざまなギネス記録を持つ。

《森脇稔》

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