JR西日本は2月16日、輸送密度2000人未満の線区について、4月にもその経営状況に関する情報を開示することを明らかにした。
同社が公表している2019年度における在来線の線区別利用状況によると、大量輸送機関としての鉄道の特性を発揮できないとする輸送密度2000人未満の線区が17路線に上るが、その大半が姫新線、因美線、芸備線、木次線、山口線、美祢線など、中国地方の路線となっている。このうち芸備線は、東城~備後落合間が11人(2020年度は9人)とJR西日本最少だが、これはJR北海道のどの線区よりも少ない数字だ。

ちなみに、事実上の廃止が決定している根室本線富良野~新得間は2020年度実績で94人となっているが、JR西日本では同年度実績で5線区がこの水準を下回っている。このうち50人となっている大糸線南小谷~糸魚川間は3月から存廃を視野に入れての協議が開始されることになっている。
こうした状況を鑑み、国土交通省でも2月14日、バス転換などを視野に入れた地方鉄道の抜本的な見直しを検討する初めての会合を開いており、JR西日本でも輸送密度が低いローカル線の見直しへ本腰を上げる姿勢を示しているが、同社では線区ごとの特性やニーズの違いがあることを考慮した上で、「国の制度なども踏まえながら、今よりもご利用しやすく、まちづくりにあわせた最適な交通体系を地域の皆様と共に模索し、実現していきたいと考えております」としている。
