【マツダ CX-5 新型試乗】乗った瞬間に「また良くなった」と実感できる…島崎七生人

マツダ CX−5 フィールドジャーニー
マツダ CX−5 フィールドジャーニー全 14 枚

2017年登場の現行『CX-5』に、昨年末に何度目かの商品改良が実施された。テイストの違う3つの仕様を用意したこと、スイッチで走行モードが選べる“MI-Drive”が新採用されたことなどが主なトピックだ。

近年のマツダ車に統一感がある理由

マツダ CX−5 フィールドジャーニーマツダ CX−5 フィールドジャーニー

ところでこの『CX-5』も見ておられた商品本部・松岡英樹さんは、昨年末、20年の主査生活を終えてマツダを卒業された。松岡さんが『プレマシー』で提唱した“Gのつながり”は後にGVCへと発展。当時の顔ぶれには、今は『ロードスター』の主査の齋藤茂樹さん、操安性能開発で陣頭指揮をとる梅津大輔さんなどがいる。

松岡さんには水を差すように「マツダの提唱するロジックは、改めて言うまでもなく、そもそも昔からのクルマ作りの基本なのでは?」とぶつけてみると、「改めて言葉や文字で説明することで、無意識だったことがより深く納得できるようになる。“運転計画”といっても、実は当たり前にやっていること。乗ってみての結果の議論ではなく、きちんと分析したデータに基づけば、“こうあるべきだ”の共通した認識が社内的にもできる」のだと。

話を聞きながら、近年のマツダ車には、モデルを問わず統一感があるのはそういうこと、そして代々、連綿とエンジニアの意志は間違いなく受け継がれている、と改めて思った次第だ。

乗った瞬間に「また良くなった」

マツダ CX−5 フィールドジャーニーマツダ CX−5 フィールドジャーニー

そんな『CX-5』の最新モデル、乗ると確かに「また良くなった」と実感した。乗った瞬間にわかったのは、段差を降りる場面で前輪がストンと落ちてくれるためボディが前のめりせず、フラットな姿勢を保ってくれること。それと何といっても走行中のザラつき、ゴロつきが相当に抑え込まれ、雑味がなく、静粛性、快適性も格段に高まり、クラス感がさらにアップしたように感じた。

今回の改良ではシートのバネ、ウレタン形状の見直しを始め、シートフレームとボディとの接地面の拡大でより剛性の高い締結を実現、ボディもクロスメンバーまわりの手当て(減衰ボンドの使用ほか)でも振動の低減が図られた。

マツダ CX−5 フィールドジャーニーマツダ CX−5 フィールドジャーニー

それと新設定のMI-Driveだが、これは「よくあるクルマのキャラクターを変えるものではなく、あらゆる路面で人馬一体を感じられるよう適応させるもの」(梅津さん)とのこと。短時間の試乗コース内ではモードごとの差(モデルにより用意されるモードも違う)を確認するまでには至らなかった。ただし日常領域で、首都高速の流れに乗って走らせるなどすると、クルマの路面への接地感がより高まっていることや、自分の操作に対し、クルマがより自然に素直に反応してくれることがわかった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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