電気自動車購入、意向とコストの関係…日米欧亜で調査 デロイトトーマツ

電気自動車の例:日産リーフ
電気自動車の例:日産リーフ全 6 枚

国・地域を問わず、代替パワートレインが消費者の購買意欲をかきたてるには至っていない。ICE(ガソリンやディーゼルといった内燃機関)車が次の購入対象として最多となっている。なぜなのか?

デロイトトーマツグループは、全世界2万6000人以上の消費者を対象に調査した結果を元に、日本、米国、ドイツ、インド、中国、韓国、東南アジアの7か国・地域の消費者意識をまとめた『2022年 デロイト グローバル自動車消費者調査』を発表した。調査は2021年9~10月に実施し、コネクテッド、自動運転、モビリティサービス、電動化といったいわゆるCASE、MaaSに対する消費者の意識をまとめた。

デロイトトーマツによると、「航続距離」と「充電インフラの不足」への懸念は、どの国でも払拭されていない。消費者は自宅で充電したいと感じているが、実際は物理的に設置できない、値段が高いと、消費者の7割弱が考えている。日本も例外ではなく、住宅事情も大きな影響要因であろう。

いっぽうで、多くの国・地域の消費者は「燃料費の削減」を電気自動車(BEV)の魅力と感じている。カーボンニュートラルへの様々な取り組みも、消費者の「気候変動」や「排出量」への関心を高め、電気自動車普及の追い風になっているだろう。次の購入車両として電気自動車を考えている消費者は韓国・中国・ドイツで多く、日本ではハイブリッド車(HEV)の比率が高い。なお、米国では依然としてガソリン/ディーゼル車を考える人が7割近くに上る。

また「電気代が値上がりすれば電気自動車購入を躊躇する」という消費者も35%に上る。デロイトトーマツでは、維持費も含めたコスト面での優位性を明確に出来れば、電気自動車の普及は加速すると予想する。

日本の消費者は、ICE車志向の75%、電動車志向の80%が、「500万円未満」をクルマの想定購入価格帯と考えている。これは、「パワートレインの新技術」に対して多くのプレミアを支払う意向が消費者にないことを示する。代替エンジン技術・コネクテッドを含む自動車の先端技術に対して積極的にお金を支払う消費者は、世界のほとんどの国・地域において限定的だ。

《高木啓》

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