車内を静かにすることも得意[プロが頼りになるワケ]

「フェリソニ」の部材を用いてルーフへの「車内静音化」作業を施した例。
「フェリソニ」の部材を用いてルーフへの「車内静音化」作業を施した例。全 8 枚

世の中には「カーオーディオ・プロショップ」と呼ばれる“音のプロ”がたくさんいる。当連載では、彼らのバリューを1つ1つ紹介している。今回は、彼らがカーオーディオシステムの構築以外の部分でも頼りになることを明らかにしていく。

ドライブ中の車内を「うるさい」と感じるドライバーが増えている…

今回は、「カーオーディオ・プロショップ」が「車内静音化」も得意であることについて説明していく。

ところで昨今、ドライブ中の車内を「うるさい」と感じるドライバーが増えている。その理由は主には2つある。1つは「エンジン音やマフラー音が静かになってきたから」だ。電気自動車はそもそもエンジンを積んでおらず、ハイブリッドカーではエンジンが動かない時間帯もある。そしてハイブリッドカーのエンジンも通常のエンジン搭載車のエンジンも、ひと昔前と比べるとかなり静かになっている。

結果、それ以外のノイズが気になるようになってきた。ちなみに特に問題とされることの多い騒音は「ロードノイズ」だ。これはタイヤパターンが路面を蹴ることで発生する騒音なのだが、今やこれが車内で「うるさい」と感じる代表格となっている。なおエンジン音はクルマ好きにとっては心地良いサウンドである場合もあるが、ロードノイズが心地良いと感じられることはまずない。

そして車内で「うるさい」と感じる人が増えたもう1つの理由は、「鉄板が薄くなっているから」だ。現代のクルマには高い燃費性能が求められていて、ゆえに車体の軽量化が推し進められている。なので車体自体、つまりボディの鉄板の軽量化も進んでいる。強度を保ちながらも軽くて薄い鉄板が使われる傾向が強まっているのだ。なので、雨音や風切り音も以前と比べて大きくなった。鉄板が共振しやすく(音が響きやすく)なっている。ゆえに雨が降ってきたり高速道路に乗ると、以前にも増して雨音が響き車外ノイズが大きく感じられるようになってきた。

車内のうるささに悩んでいるのなら、相談すべきは「カーオーディオ・プロショップ」!

さて、ロードノイズや雨音、風切り音を「うるさい」と感じている場合、その悩みは誰に相談すると良いのかというと、答はズバリ「カーオーディオ・プロショップ」だ。ちなみに「カーオーディオ・プロショップ」以外でも「車内静音化」を得意としているお店はさまざまあるが、当サイトとしてはやはり「カーオーディオ・プロショップ」を推したい。その理由は主には2つある。

1つは「内装パネル類の“バラシ”が得意だから」だ。車内を静かにするためには、フロアや天井に車内静音を可能とする部材を貼り付けていくのが最善手となるのだが、それを行うには各部の鉄板に直接アクセスする必要がある。特にフロアに関してはフロア全体に施工できるとベストなのだが、そのためにはシートやセンターコンソール等もすべて取り外さなければならない。天井においても天井のパネルをすべて取り外す必要があり、それを実行するには各ピラーのパネルも外す必要が出てくる場合も多い。フロアに関しても天井に関してもこのように、“バラシ”作業は大がかりにならざるを得ない。

その点「カーオーディオ・プロショップ」は、“バラシ”のコツを心得ている。なぜならば、カーオーディオ機器をクルマに装着する際には“バラシ”作業を伴うケースがとても多いからだ。つまり日常的に行っている作業なので「カーオーディオ・プロショップ」にとって“バラシ”は朝飯前だ。

そして「車内静音化」のオーダー先として「カーオーディオ・プロショップ」を推す2つ目の理由は、「部材の扱いに慣れているから」だ。実は「車内静音化」のための部材は、車内の音響環境を整えるための部材でもある場合がほとんどだ。つまり「カーオーディオ・プロショップ」は「車内静音化」に使用する部材を普段からさまざま活用している。なので各部材の特長(効果)や施工の際のコツを熟知している。

「制振材」にて鉄板を“響きにくく”して、ノイズの侵入をシャットアウト!

では、「車内静音化」では具体的にどのようなことが行われるのかを説明していこう。主に行われる場所は先述したとおりフロアと天井なので、それぞれについて説明していく。

まずフロアに対しては主に、「制振材」と呼ばれる鉄板の共振を抑えるための部材が貼られていく。というのもフロアからは主に、ロードノイズが侵入してくる。その侵入を防ぐには、鉄板を響きにくくすることが有効となる。そうすればロードノイズが鉄板を伝わって(振動させて)車内に入ってくるのを抑制できる。

また、小石等がフロアに当たりその音がノイズとなる場合もあるが、鉄板が響きにくくなればそういったノイズも小さくなる。なお、「制振材」に加えて「吸音材」や「遮音材」が使われることもある。とはいえ床は施工箇所が厚くならない方が良いので厚みのある「吸音材」はあまり使われない。プロはクルマの状況や場所、そして使用する部材の特長を踏まえて、各部材を適材適所で使っていく。

天井に対しても基本的にはやはり「制振材」が主体的に使われつつも、併せて「遮音材」や「吸音材」も用いられる。まずは「制振材」にて鉄板を響きにくくした上で、さらには音を吸い取る効果やブロックする効果を付与して雨音が響きにくいように、そして車外の他のノイズが侵入しにくいようにしていく。

なお天井については「断熱効果」のある部材が使われることも少なくない。そういう部材を用いれば、車内の冷暖房効率のアップも図れる。

あとは、タイヤハウスへの施工も効果的だ。タイヤハウスはロードノイズの発生場所のすぐ真上だ。ここに適切に作業を施すことでロードノイズの侵入をかなり防げる。なので、ここのみに作業するのもアリだ。低コストで効果的な「車内静音化」を実行したいと思うときには、タイヤハウスのみへの施工も検討しよう。

かくして「カーオーディオ・プロショップ」は、車内を静かにしたいという望みにも応えてくれる。覚えておこう。

今回は以上だ。次回以降も「カーオーディオ・プロショップ」のバリュー解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

「カーオーディオ・プロショップ」は車内を静かにすることも得意!? 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part3「車内快適化」編 その1

《太田祥三》

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