【DS 9】ステランティスの電動化をけん引するのがDS

ステランティスインドアジア太平洋地域セールスマーケティングオペレーション上級副社長ビリー・ヘイズ氏(右)とステランスジャパン代表取締役者兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏(左)
ステランティスインドアジア太平洋地域セールスマーケティングオペレーション上級副社長ビリー・ヘイズ氏(右)とステランスジャパン代表取締役者兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏(左)全 9 枚

ステランティスジャパンは3月17日、DSオートモビルのフラッグシップモデル、『DS 9』を発表。同日より販売を開始した。

DS 9DS 9

◆芸術的ともいえるクラフトマンシップとラグジュアリー

DSオートモビル(以下DS)について、「ステランティスグループの中で最もアヴァンギャルドで、かつプレミアムなブランド」と紹介するのは、ステランティスインドアジア太平洋地域セールスマーケティングオペレーション上級副社長ビリー・ヘイズ氏だ。DSは、「もはや芸術的ともいえる非常に高いレベルのクラフトマンシップとラグジュアリー、テクノロジーはDSオートモビルのトレードマークとなっている」という。これは、「DSが今後このようなブランドにしたいといっているのではなく、ユーザーがそう評価してくれている」と市場からの評価であることを強調。

そして、「インドアジア太平洋地域は、ステランティスにとって最も成長著しく重要な市場とみなしている。DSにとって、この地域はポテンシャルが非常に高く、その中でも、日本は特に自動車に関する知識が高く、そして評価が厳しく、違いの分かるユーザーが多いことで知られており、リーディングマーケットだ」と日本市場を位置付ける。さらに、「日本は最も進んだ“精神的な社会”といえ、芸術と匠の長い豊かな歴史があり、最高レベルの品質を求めることで世界的に知られている」と評価し、「DSはまさに日本市場に最も適しているブランドだ」とした。その理由についてヘイズ氏は、「DSのダイナミックセレニティ、ダイナミックな静けさとも呼ばれるエレガンスさがあり、これは日本でも広く受け入れられている。究極のフレンチラグジュアリーであるDSは、日本のお客様からスタイル、快適性、そして何よりも楽しさにおいて高い評価を得てきているからだ」と述べた。

◆電動化戦略の最先端を行く

ステランティスジャパンの日本市場の展開について代表取締役者兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏は、「3月1日、日本においてトータルで60年あまりの歴史を持つ強いインポーター2社(FCAジャパンとグループPSAジャパン)が統合されて誕生した。これはまさに販売の勢い、そしてディーラーネットワークの成長性を意味している」とし、「この2社が持っている強さを、今後最大限活用していく」という。そして、「現在の販売台数やシェアの維持よりも、エキサイティングで魅力豊かな様々な製品を、日本の皆様に提案し続けることを目指す」とこれからの姿勢を示した。その結果として、「ディーラーとともに成長し続け、かつ顧客満足度を最高にすること」をコミットメントした。

そしてDSはステランティスジャパンにおいて2つの役割を担っている。「1つは我々のブランドポートフォリオにおいて、アルファロメオとともにプレミアムオファーの部分を担うこと。2つ目は私たちの電動化戦略の最先端を走ることだ」とポンタス氏。

2020年にはBセグメント初の電気自動車となる『DS3クロスバックE-TENSE』を発売。昨年3月に四輪駆動のプラグインハイブリッド車である『DS7クロスバックE-TENSE』をデビューさせているのだ。ステランティスジャパンマーケティングダイレクターのトマ・ビルコ氏も、「輸入車マーケット全体での電動化車両の販売比率は5%に達していないが、昨年、DSは18%に達した。5台に1台はEVだったのである」と戦略的に台数を伸ばしていることを明かし、今回発表したDS9もPHEVがラインナップされその一助となる予定だ。

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そういったことを踏まえポンタス氏は、ステランティスジャパンとしても電動化戦略は、「輸入車業界の中で主導的な役割を果たしていく。ステランティスジャパン全体での電動化ラインナップは年末までに19モデルという圧倒的な数に拡大する予定」とした。

DSの日本市場の展開についてトマ氏は、「2014年にシトロエンから独立後、日本全国に12店舗を展開。2018年にDS7クロスバックのローンチ、翌年2019年にはDS3クロスバックをマーケットに導入。この8年間は色々な機会にも恵まれ、順調に販売台数を伸ばし、昨年は年間約900台の販売を達成した」という。

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そのユーザーは、「数こそまだ少ないが、美しい特別なインテリアと洗練されたエクステリアデザイン、乗り心地などを気に入って支持してくれている。そしてブランドの良さを理解するのはデザインにもこだわりのあるアーリーアダプター、オピニオンリーダーなどの方々だ」とトマ氏。そういった方々に向けて、今回のDS9に続いて、今年はザ・モースト・ビューティフルカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した『DS4』も導入する予定である。

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◆サイエンスと芸術の融合

今回発表されたDS9についてヘイズ氏は、「日本走る最もエレガントなクルマとなり、また違いが分かるオーナーにとってはまさにステイタスシンボルとなるモデルだ」という。そしてDS9は、「フランス大統領車としても採用され、ステランティスグループと、DSのすべてを結集し、まさに完璧なプロポーションと、そして技術、洗練性の全てを兼ね備えたサイエンスと芸術の融合だ」とその強い個性をアピールした。

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ポンタス氏も、「フランスの洗練と、サヴォワフェール、つまり匠の技を極めている。芸術的なクラフトマンシップや、アートのような美しさ、ラグジュアリーな快適性、そして最新のテクノロジーの安全性能を非常に高いレベルで融合させている」とコメント。そして「1度でもハンドルを握れば巷にあふれるラグジュアリーとは一線を画する全く違うタイプのクルマだ。コンフォートモードで都内をドライブすれば、パリの石畳で鍛えられたものだとすぐに気づくだろう」と洗練された乗り心地を備えていることを強調した。

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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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