広がる交換式モバイルパワーパックの応用:投光器やAGV…水素・燃料電池展2022

ホンダモバイルパワーパックの応用例:ジャイロ:e
ホンダモバイルパワーパックの応用例:ジャイロ:e全 12 枚

ホンダは、バイクや自動車だけでなく、ジェット機やロボティクス、最近ではソニーとの協業などポートフォリオの懐が深い会社でもある。エネルギー分野も同社が力を入れている事業だ。

コマツが開発したマイクロパワーショベル。一家に一台ほしいコマツが開発したマイクロパワーショベル。一家に一台ほしい

「スマートエネルギーWeek春2022 / 水素・燃料電池展2022」で本田技術研究所は、FCモジュール以外に、「ホンダモバイルパワーパック(HMPP)」の各種提案を行っていた。HMPPは、日本郵便の集配バイク(ホンダ『ジャイロ:e』)の交換式バッテリーとして利用されているものだ。交換式バッテリーは、充電のための待機時間をほぼゼロにできるので、同じ台数でも車両の稼働率を上げられる。バイクや小型モビリティなら、バッテリー交換も人力で可能となり、充電ステーションの設備投資を抑えることができる。

モバイルパワーパックの充電ステーションモバイルパワーパックの充電ステーション

欧州で立ち上がりつつあるL7e(欧州の超小型モビリティ規格)のマイクロカーやシティトランスポーターは、交換式バッテリーを採用するものが多い。ホンダは、バイク以外のさまざまな乗り物への応用の他、家庭用電源、AGV、ポータブル電源など移動・モビリティ以外の活用提案を行っている。

コマツとは超小型のパワーショベル、デンソーとは果物の収穫ロボット、デンヨーとは屋外投光器などの共同開発を行っている。パワーショベルは狭い場所での作業、造園や畑仕事での用途が考えられる。収穫ロボットは、倉庫などで見かけるようなAGV(自律走行カー)にマニピュレーターを取り付けたもので、ブドウの収穫といった実証実験を行っている。

デンソーはモバイルバッテリー式のぶどう収穫ロボ(AGV)を開発デンソーはモバイルバッテリー式のぶどう収穫ロボ(AGV)を開発

投光器はホンダモバイルパワーパックを使った屋外用の照明だ。夜間の工事現場で見かけるが、バッテリーを使うことで発電機の騒音問題を解決できる。投光器はLEDなので、消費電力も抑えられる。展示されていたプロトタイプは、明るさを3段階で調整できるが、一番暗い状態(それでも十分明るい)ならば12時間くらい稼働可能だそうだ。

デンヨーのモバイルバッテリー式の投光器本体デンヨーのモバイルバッテリー式の投光器本体LED投光器。バッテリーのみで12時間前後の稼働も可能LED投光器。バッテリーのみで12時間前後の稼働も可能

《中尾真二》

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