自動車部品メーカー、コロナ禍で業績悪化が拡大…売上高合計は前期比2兆5000億円減

自動車部品メーカー業績推移
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東京商工リサーチは、自動車部品メーカー全国5849社を対象とした業績動向調査を実施。売上2兆5000億円減とコロナ禍で落ち込みが拡大していることが明らかになった。

自動車産業はコロナ禍以降、半導体など部品調達難やサプライチェーンの乱れから完成車の減産が相次いだ。部品は行き場を失い、完成車メーカーの下請に連なる自動車部品メーカーは業績悪化に見舞われている。

5849社の売上高合計は、最新期で27兆5012億円(前期比2兆5739億円減、8.5%減)に落ち込んだ。前々期(コロナ禍前)から前期は2.3%減で減収幅が拡大した。当期利益の合計は最新期が4678億円で、前期の3500億円から増加(1178億円増)した。利益は前々期から前期(1兆0651億円→3500億円)の落ち込みが激しく、最新期はやや回復したがコロナ前と比べると半減以下となった。減収下での増益はコロナ関連の持続化給付金、雇用調整助成金等が営業外利益に計上され、押し上げた事も一因とみられる。

最新期の増減収比較では、増収は1335社(構成比22.8%)と約2割にとどまり、横ばいと減収が4514社(同77.1%)と約8割に及んだ。売上高伸長率では、最多は前期比10%を上回る減収幅のレンジで、2055社(構成比35.1%)と3割を超えた。次いで、前期比横ばいを含む0~5%未満の1634社、-10%~-5%が704社と続き、売上減少や伸び悩みが顕著となっている。

自動車部品メーカーは、売上高5億円未満の小規模企業が約7割(67.8%)を占める。また、平均業歴は53年で、高度経済成長期の前後に誕生した老舗企業が多いのも特徴だ。長い年月をかけてサプライチェーンを形成し、日本経済の基幹産業を下支えしてきたが、コロナ禍や資材高、技術革新の波にさらされ、苦境が鮮明になっている。

《纐纈敏也@DAYS》

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