東急の運賃値上げが認可…渋谷から横浜まで300円オーバーに 2023年3月予定

18年ぶりの運賃値上げが認められた東急。
18年ぶりの運賃値上げが認められた東急。全 4 枚

国土交通省関東運輸局は4月8日、東急電鉄(東急)から1月7日付けで出されていた鉄軌道旅客運賃の変更認可申請を認可したと発表した。2023年3月の実施が予定されている。

東急ではコロナ禍以前の過去5年間、安全対策やバリアフリー化などの設備投資に大手民鉄の平均を大きく上回る約540億円を投じた関係で、維持費や減価償却費が増加しているが、反面、コロナ禍による利用客の減少により、緊急事態宣言解除後の2021年10月以降も定期券利用者がコロナ禍前と比べて3割程度減少するなど、業績の回復を見込めない厳しい状況が続いており、消費税転嫁分を除けば2005年以来となる運賃値上げに踏み切ることになった。

均一制運賃の世田谷線はICと切符の運賃差がなくなり、一律160円に。均一制運賃の世田谷線はICと切符の運賃差がなくなり、一律160円に。

ただ、今回の認可は、厳しい状況下でも「固定費削減・生産性向上を目的とした『鉄道事業の強靭化』を始めとする経営努力の更なる徹底」が前提とされており、国土交通省では2028年3月までを期限に、値上げ後から3年間の総収入と総括原価(営業費用等に適切な利潤を加えた額)の実績を確認するとしている。

改定率は12.9%(普通運賃13.5%、定期運賃12.1%)で、鉄道線の普通運賃は1円単位での金額となるIC運賃を含めて初乗り140円となり、それ以外は改定率と同程度に値上げされる。その結果、東横線渋谷~横浜間の場合、310円(IC運賃は309円)となり、世田谷線ではIC運賃を含めて160円となる。

なお、こどもの国線の運賃と、家計への影響が考慮された通学定期運賃は、今回の改定から除外される。

鉄道線普通旅客運賃の現行・改定後比較。改定後は定期運賃を含め1割強の増収を見込んでいる。鉄道線普通旅客運賃の現行・改定後比較。改定後は定期運賃を含め1割強の増収を見込んでいる。鉄道線通勤用定期旅客運賃の現行・改定後比較。鉄道線通勤用定期旅客運賃の現行・改定後比較。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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